::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

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.Techno

Lost Souls Of Saturn “Reality” (2024)

デトロイトの Seth Troxler とニューヨークの Phil Moffa によるユニットの5年ぶりの2ndアルバム。全8曲、45分。 強弱併せ持つビートでうねるグルーヴにコズミックなシンセ・サウンド、そこにトランペット、ギター、シタールといった生楽器、そしてヴォーカ…

Kangding Ray “ULTRACHROMA” (2022)

これまでのダークでクールなインダストリアル・テクノからだいぶ変わった。特に、単調でミニマルだったビートがもっと重層的で構築的なものとなったことが決定的。アクアティックでコズミックなシンセサウンドも際だっていて、それらを伴い繊細で複雑なビー…

Huerco S. “Plonk” (2022)

“Plonk” (2022) 思うに擬音語というのは外国語のなかで特にニュアンスを掴みづらい。‘vroom’ とか ‘meow’ といったものであれば、目にしたこともあって日本語との対応や感覚的な理解もできるけれど、知らない語だとまったく想像もつかなかったりする。 Huer…

Moritz Von Oswald Trio “Dissent” (2021)

Basic Channel のひとりとしてダブ・テクノを生み出した Moritz von Oswald のグループ。 もともとは Max Loderbauer と Sasu Ripatti(Vladislav Delay)で構成されていたが、2015年の “Sounding Lines” では Sasu Ripatti と替わって Tony Allen、そしてこ…

Andy Stott “Never the Right Time” (2021)

静謐で甘美なヴォーカルとシンセによるテクノ。ノイジーなパルスをまとう重いビートに牽引されつつ、端麗で広がりのあるサウンドスケープへ。 8作品目のアルバムとなる “Never the Right Time” は、前作 “It Should Be Us” での試みからは離れ、“Luxury Prob…

TYGAPAW “Run 2 U” (2020)

ジャマイカ出身、ブルックリンを拠点とするDJによるデビュー・アルバム。 90年代のデトロイト・テクノを深化させたようなサウンド。 テーマや背景については、electronicbeatsの記事が詳しい。 デトロイトのTVプログラム “ The New Dance Show” に触発されてデ…

Speaker Music “Black Nationalist Sonic Weaponry” (2020)

現在、BLM運動に呼応する音楽がさまざまに生まれる中、このアルバムは鮮烈なサウンド表現と徹底したコンセプトとで傑出している。 ここでおこなわれていることは、簡単に言えばブラック・ミュージックとしてのテクノ再構築。その意義は、Speaker Music が参加…

Beatrice Dillon “Workaround” (2020)

ロンドンを拠点とするミュージシャンの 1st ソロ・アルバム。PAN からのリリースで、マスタリングは Rashad Becker。 ドライでミニマル。 音数が少なく、散りばめられたスタッカートでむしろ空隙を聴かせるタイプの楽曲。軽やかにスウィングするビートが微少…

NKISI “7 Directions” (2019)

アフリカ系アーティストのコレクティヴ “NON Worldwide” の創始者のひとり NKISI の 1st フルアルバム。 これまでの音源としては、NON のコンピレーションの他、Warp 内サブレーベル Arcola からリリースした EP “The Dark Orchestra” などがある。このアル…

 Alva Noto “Unieqav” (2018)

2008年の “Unitxt”、2011年の “Univrs” と続いた “UNI-” シリーズの幕を引くアルバム。 このシリーズは、ビートが強いフロア向けのサウンドを追求したもの。Alva Noto / Carsten Nicolai の音源のなかではもっともアプローチしやすい。聴きやすいサウンドだ…

 Jon Hopkins “Singularity” (2018)

ビートに伴うノイズの力というものを示したのが、前のアルバム “Immunity” の大きな功績だった。5年ぶりにリリースされたこのアルバム “Singularity” も同じ延長上にある。 パルス、破砕音、グリッチといったノイズ要素は、それ自体が主役の位置にあるわけで…

 Simian Mobile Disco “Murmurations” (2018)

James Ford と Jas Shaw によるユニットの5th アルバム。テック・ハウス/エレクトロ・ハウス。 このアルバムは、ロンドンのヴォーカル・コレクティヴ The Deep Throat Choir の女声コーラスをフィーチャーしているのが特徴。ヴォーカルとシンセが崇高を醸し出す…

 DJ Nigga Fox “Crânio” (2018)

アンゴラ出身。内戦に伴いポルトガルに移住し、現在はリスボンに住む。リスボンで活気付くアフリカ系ダンス・ミュージックの旗手のひとりと目され、Warp と契約し EP リリースに至った。もともとリスボンのレーベル “Príncipe” に所属。このレーベルはクドゥ…

 East Man “Red, White & Zero” (2018)

Imaginary Forces と Basic Rhythm という異なるスタイルの活動をおこなってきた Anthony J. Hart が開始する別名義のプロジェクト。活動の起点はむしろ Basic Rhythm より前にあるようだが、アルバムとして音源をリリースするのはこれが初めてとなる。 それ…

 Claro Intelecto “Exhilarator” (2017)

マンチェスターのプロデューサー。主にダブ・テクノを追求し、Modern Love の勃興に寄与したひとりに数えられる。 このアルバムはオランダの Delsin からのリリースで、わりと幅の広い趣向の13曲から成っている。清涼、重厚、暗鬱、硬質、情感、爽快 etc。リ…

 Harmonious Thelonious “Apakapa” (2017)

デュッセルドルフのプロデューサー Stefan Schwander による名義のひとつで、ミニマル・テクノにアフリカン・リズムを組み合わせるようなことを試みているプロジェクト。オフィシャルサイトには “american minimalists vs. african drumming vs. european sequ…

NKC “Tincture” (2017)

南ロンドンの新興レーベル Her Records からのリリース。 抒情性を払底したリズム志向のサウンド。乾いた感触はグライムに通じるし、三連符ビートという点ではフットワークも想起させる。 ただしNKCのこのEPには、定型に甘んじることのないリズムの追求とい…

 SW. “The Album” (2016/2017)

ベルリンのハウス・レーベル SUED から昨年出た2枚組12"を、デジタル音源で Apollo から再リリースしたもの。 SUED の特徴は、アナログ音源を専門としているということの他に、アーティストや音源が匿名的という点にある。アルバムもトラックも固有名が付けら…

 Basic Rhythm “The Basics” (2017)

リズム/ビートの多彩なエチュードといった趣。 過剰に変容させられず原型的なまま提示されるパーカッシヴなサウンド。シンセやヴォーカル・サンプルも使われているけれどそれらは従属的。主体はさまざまな打音で、純粋にリズム・パターンを味わう音楽に特化し…

 Turinn “18 1/2 Minute Gaps” (2017)

Modern Love からの新譜で、地元 Manchester のプロデューサー Alex Lewis による 1st アルバム。 フロア・ミュージックへの拘りは全体に共通するものの、曲ごとに方向性は異なっていて、ハウス/トランス/2-ステップ/ドリルンベース…といったさまざまなサウン…

 Kangding Ray “Hyper Opal Mantis” (2017)

ベルリンを拠点とする Kangding Ray の新譜。 これまでのアルバムはすべて Raster-Noton からだったが、今回はベルリンの Stroboscopic Artefacts からのリリースとなった。初期の音響/ノイズ系の作品と比べると “OR” 以後のテクノ寄りでビート志向の作品は…

 Jay Daniel “Broken Knowz” (2016)

デトロイトのプロデューサーによる1stフルアルバム。 簡素なサウンド構成でビート志向。 Anthoney Hart の Basic Rhythm に通じるものもあるけれど、Jay Daniel のこのアルバムでは全般的に生ドラムが用いられているところが大きな特徴。背景でかすかに響く…

 Demdike Stare “Wonderland” (2016)

2012年の “Elemental” リリース後、実験的にクラブ・ミュージックへアプローチした12"EPの “Testpressing” シリーズを挟んで、4年振りとなるフルアルバム。アンビエント/ノイズ志向だった “Elemental” よりも、ビートを追求した “Testpressing” シリーズの延…

 The Field “The Follower” (2016)

無地にタイトルとユニット名を記しただけの簡素なジャケット。これまでに出しているアルバムはすべて同じデザインで、ミニマル・テクノを追求する姿勢が端的に表れている。徹底したスタイル。どの曲もループで埋め尽くされている。各曲それぞれ10分程度の長さ…

 Low Jack “Lighthouse Stories” (2016)

The Trilogy Tapes や L.I.E.S. といったレーベルからインダストリアル/ロウハウスの音源を出してきた Low Jack の3rdアルバム。前作 “Sewing Machine” は In Paradisum からのリリースだったが、この “Lighthouse Stories” では Modern Love が発表の場とな…

 Vatican Shadow “Death Is Unity With God” (2014/2015)

Vatican Shadow は、Prurient 名義を筆頭とする Dominick Fernow の多様な活動形態のひとつ。Prurient 同様にダークでインダストリアルだけど、こちらはスクリーミング・ヴォーカルを伴わないインストで、もっと乾いた曲調。 この “Death Is Unity With God” …

 Kangding Ray “Cory Arcane” (2015)

5th アルバム。昨年の “Solens Arc” からあまり間隔を置かないリリースとなった。 曲調としては、前作と同様にインダストリアル。 ただし、前作ではアンビエントでビートレスのトラックを混ぜて静と動の変化がある構成だったのに対し、このアルバムはBPMの緩…

 にせんねんもんだい “#N/A” (2015)

ギター/ドラム/ベースの3人編成、インストのみで徹底的にミニマル。ストイックで人力テクノな系統。 goat がおこなっている試みにきわめて近い位置にいる。 もともとエレクトロニック・ミュージックとの親和性は高かったと思うけど、このアルバムでは Adrian …

 Demdike Stare “Testpressing #005, #006, #007” (2014, 2015)

Demdike Stare が継続的にリリースしてきた限定EPのシリーズ。2013年の “#001” に始まり、2015年の “#007” をもって全7枚14曲で完結した。 販促盤を装い “Testpressing” という名を付されたこのシリーズは、彼ら本来のスタイルを離れ比較的フロアを向いた作…

 VILOD “SAFE IN HARBOUR” (2015)

最初に聴いたその瞬間に衝撃を受けるというより、聴き込むほどに味わいが増していくようなタイプの音楽。 ミニマル/エクスペリメンタル・テクノといったあたりに区分されつつ、ジャズという語を付した説明をいくつか見かけた。 自分としては、ビート・ミュージ…






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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell