前作“point”から5年ぶりのアルバム。
ということなのでまず“MUSIC”の前に“POINT”をひさしぶりに聴いてみた。
忘れてたけど、かなり良かった。M-2“POINT OF VIEW POINT”、M-4“DROP”あたりが特に。
5年前、っていう感じしない。いま聴いても刺激的。ポップでもあるし。
それではこのEPがどうかというと、まあ“POINT”の延長線上にあって、そこから劇的に進化している感じはない。
とはいえ“POINT”の時点で充分に先鋭的だったわけだから、この方向で突き詰めていく、っていうだけでもいいのかもしれないとも思う。
M-2 “Gum”
音そのものはそこそこヘヴィだけど、熱のない/やる気のないヴォイスの断片が離散的に配置され、その連なりとの対比によって、攻撃性と静的な繊細とがバランスよく共存された情景に。
M-4 “The Star Spangle-Gayo”
この曲はなかなか挑戦的かもしれない。元ネタと構成とが。
冒頭で奏でられる曲が突然中断され、そのまま引き延ばされる。延々と。音量は次第に小さくなり、20分あたりに底があって、ほぼ無音に近い静寂がしばらく続き、24分あたりから再び上昇していくのが知覚できる。35分頃から指数関数的に急上昇、収束。
たとえるならば、日が沈んで空が暗くなり、完全に夜に包まれるが、その間も自転は少しずつ着実に進行していて、何時間かが過ぎるといつしか空は徐々に明るくなっていき、やがて朝になる。そのようなきわめて緩やかな下降と上昇の展開。
アイデアとしてはシンプルで、誰でも思いつくような気もするけど、実際やることはない、というのが実現された感じ。
アンビエントの極致。