2010-01-01から1年間の記事一覧
5thアルバム。今年始めにリリースされたものだけど、そういえば記録してなかったので書いておく。 なぜ急に思い出したかというと、先週12/2に DOMMUNE でやってた Four Tet / Kieran Hebden のDJプレイが、それはもう溜息が出るほどにすばらしかったので。 …
“Dogville” Director : Lars von Trier Denmark/Sweden/Norway/Finland/UK/France/Germany/Netherlands, 2003 いままで見た映画のなかで、衝撃度や迫真性といった観点で考えるなら “4ヶ月、3週と2日” をトップに、“エレファント” を次点として選びたいの…
Gang Starr の Guru のソロ・プロジェクトとして、1993年にリリースされたアルバム。ラップのバックトラックに生のジャズバンドを用いるスタイルの先駆に当たる*1。 Jazzmatazz はシリーズとしてその後もリリースされ、2007年の vol.4 まで続く。この vol.1 …
フィンランド・ヘルシンキ出身の女性シンガーソングライター Merja Kokkonen による、Islaja 名義のアルバム。(「イスラヤ」と読むみたい。) 曲調はとても寒々としている。一曲当たりの楽器数も少ない。といっても決して簡素なつくりというわけではなく、こ…
ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)作者:テッド・チャン,クリストファー・プリースト,リチャード・A・ルポフ,ソムトウ・スチャリトクル,F・M・バズビイ,イアン・ワトスン,ロベルト・クアリア…
“I Hired a Contract Killer” Director : Aki Kaurismäki Finland/UK/Germany/Sweden/France co-production, 1990 1. 1990年の作品。 舞台はフィンランドではなくロンドンで、話される言葉も英語なので、少しだけ他のカウリスマキ作品と雰囲気が違う。 とい…
シカゴ出身の男女ふたり Joseph Desler Costa と Lindsay Anderson によるユニット。活動休止状態を経て、ひさしぶりに出た4thアルバム。 ダウンテンポで叙情的なメロディ、物悲しく歌い上げるヴォーカル。いわゆるスロウコア/サッドコアではあるのだけど、…
トールキン神話の世界 (神戸学院大学人文学部人間文化研究叢書)作者: 赤井敏夫出版社/メーカー: 人文書院発売日: 1994/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (3件) を見る トールキンの「指輪物語」の神話構造を正面から分析…
6th。(厳密に言うと8thか。) カラフルなジャケットは、今までの Underworld のものとは一線を画している。カール・ハイドが言うには、「アートワークもこれまでの内向的で思慮深いものではなく、もっと外に向かってポジティヴなものにしたいと思った」との…
発売時に買ってたのに、なぜかなかなか文章にまとめておく気にならず今に至ってた……。でも6th“barking”を聴いたのと併せて感想を書いておこうと思う。良いアルバム。 Underworld の基本姿勢って無機的な語り口で常に洗練を追求してるところにあると思うんだ…
ニューヨークを拠点にする二人組ユニットの、5年振り4thアルバム。前作までの The Books は、ローファイな表面の下に緻密な構造を感じさせるいかにも「都会的フォークトロニカ」って感じの音だったけど、今作は、スリーブ解説にもあるように “more driven” …
安定したクオリティ。何枚目のアルバムかもよくわからないほどの長いキャリアで、まわりに影響されず延々と自分たちのスタイルを貫いているタイプ。女性ヴォーカルのエレクトロ・ポップなんだけど、とってもアンニュイ。……まぁ、前作・前々作のレビューで書い…
“INCEPTION” Director : Christopher Nolan US, 2010 これはすごかった。いろいろなところで絶賛されていたので、ぜひ見たいと思ってたんだけど、期待に違わぬおもしろさだった。 でも…… 何を書いてもネタバレになりそうな。 最低限言えるのは、「夢に潜る」…
“借りぐらしのアリエッティ” 監督:米林宏昌, 脚本:宮崎駿・丹羽圭子, 2010 床下に住んでいる小人たちの物語。 ジブリならではの丁寧な描写で、小人の目線での世界が表現されている。雨粒の大きさや質感だとか、重なり合った植物、猫やカラスが巨大モンスタ…
“The Rhetoric of Fiction” 1961 Wayne C. Booth ISBN:4891762470 フィクションの修辞学 (叢書 記号学的実践)作者: ウェイン・C.ブース,Wayne C. Booth,米本弘一,渡辺克昭,服部典之出版社/メーカー: 書肆風の薔薇発売日: 1991/02メディア: 単行本購入: 1人 …
4thアルバム。1stメジャー盤。 全曲、インスト。 ROCKIN'ON JAPAN 7月号でのインタビューで、「インストのロックというと普通『何で歌が入ってないの?』って思われがちだったのを、té の場合は一般の音楽に対して『むしろ何で歌が入ってんの?』って言って…
ピストルズ作者: 阿部和重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/03/24メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 167回この商品を含むブログ (108件) を見る シンセミア(ISBN:402257870X, ISBN:4022578718)と同様、山形県神町を舞台にした物語。(see also. htt…
“ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破” EVANGELION:2.22 - YOU CAN (NOT) ADVANCE - DVDであらためてじっくり見たので、新劇場版に関する中間的な感想をここにまとめておきたいと思う。 公開時に書いた文章は、これ → http://d.hatena.ne.jp/LJU/20090702/p1 うー…
2004年から2006年の間、東浩紀の仕切りのもとでさまざまな分野の専門家を集めておこなわれた “ised/情報社会の倫理と設計についての学際的研究” という研究会があった。 当時、ウェブ上で議事録が毎回公表されていたのだけど(http://www.glocom.jp/ised/)…
これはすばらしいと思う。 何かすごいものを観た、という気分なのははっきりしているんだけど、さしあたりこれは〈映画〉っていうジャンルには入れない方がいいような気もしている。 タイプとしては、ロードムービー。原作は、つげ義春。舞台や時代など、設…
みんな元気。作者:舞城 王太郎発売日: 2004/10/28メディア: 単行本 読んだ。 収録されている5つの作品のなかで、表題作の“みんな元気。”は、自分にとって好きな小説のほぼ理想形なんじゃないかと思う。この小説がこの世のありとあらゆる小説のなかでいちばん…
“Mies vailla menneisyyttä” Director : Aki Kaurismäki Finland, 2002 旅の途中で所持品を奪われ記憶も失ってしまった男が、港近くのコンテナハウスの集落にたどり着き、貧しい人々の間で暮らし始めるという物語。 かなり気の毒な状況が続くのだが、本人は…
“Elephant” Director : Gus Van Sant US, 2003 見たい映画が思いつかないときは、とりあえずカンヌ受賞作でも順に見てけばいいんじゃないか。と思って借りてみた。 2003年パルム・ドールおよび監督賞受賞作品。 1999年にアメリカで起きたコロンバイン高校銃…
シカゴで活動する4人編成のバンドによる、1stフルアルバム。といってもまったくの新人ではなくて、90 Day Men や the Ponys、Boas といったバンドにいたベテランで編成されているらしい。ガレージ…よりももっと乾いていて、ジャンクを感じる音。メロディはあ…
「自分の好きな言葉」をひとつ挙げるとするならば、ぼくの場合それは、英単語の“still”という言葉になる。 この言葉にはいくつかの意味があるけれど、ぼくが好きなのは副詞としての“still”だ。より文法的に正確に言うと、逆接の接続副詞。たとえば、ある文章…
“District 9” Director : Neill Blomkamp SA, NZ, 2009/2010(JP) ひとことで言うなら、パンクな映画。 物語設定・舞台設定は非常に明快だ。南アフリカのヨハネスブルグに異星からの宇宙船が漂着して、帰れなくなったエイリアンたちが難民のように住み着いてし…
クラシックやフォークの風味があるストリングス主体の楽曲に、叙事詩的で大仰な歌詞を歌うヴォーカル。全部で12ある曲は、Lewis という名の“超暴力的な”農夫がめぐる情景を描いているとのこと。 けれども実際の印象としては、そんな基礎情報からは想像もつか…
1. あたらしく読んだものというわけではなくてむしろはるか昔から読んでいるものではあるけれど、一度まとめておきたくなったので書く。自分の嗜好を再確認するために。 ぼくがSFのどういうところが好きなのかは、グレッグ・ベアの “久遠” にある次の一節にだ…
5th。前作“What We Must”から5年振り。全体的にエピックな楽曲が揃っている。作曲はすべて Lars Horntbeth 。2008年に出た Lars Horntbeth のソロ“Kaleidoscopic”と比べると、Jaga Jazzist はメロディライン主体に楽曲が構築されていることが際立つ。使用さ…
賢い犬リリエンタール 1 (ジャンプコミックス)作者: 葦原大介出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/02/04メディア: コミック購入: 4人 クリック: 160回この商品を含むブログ (76件) を見る 0. 週刊少年ジャンプで連載中の漫画の、単行本第1巻。 なお「賢い犬…