2013-01-01から1年間の記事一覧
“かしこい狗は、吠えずに笑う” Shady 監督 : 渡部亮平 2013 自主制作映画。でもその括りに納まらないクオリティだったと思う。 まず、撮影について。撮影/照明を手がけた辻克喜がパンフレットにて言うには、「この作品の構図や照明はあくまでスクリーンで観…
1st アルバム。ひとことで表記しなければならないとしたらジャズ・ファンクという語を選ぶけど、ジャンル横断的にいろいろな要素を持っていて、絞りきれない。UKパンク・ジャズのグループ Acoustic Ladyland を率いていたサックス奏者 Pete Wareham による新た…
躯体上の翼作者: 結城充考出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/11/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る 自分の好みにかなり合致してる。 漢字主体の独特な語彙があふれる遠未来小説という点で、少しだけ『皆勤の徒』に似た雰囲気があ…
Ulrich Schnauss と Mark Peters によるユニットの2ndアルバム。 Ulrich Schnauss の方はソロ名義の “A Long Way To Fall” を今年リリースしたばかり。ソロ名義とユニット名義で楽曲の指向性にあまり差は感じず、ギターのフィーチャー具合しか違わないような…
“Gravity” Director : Alfonso Cuarón US, 2013 すばらしかった。 内容の説明は難しくない。宇宙飛行士が地球周回軌道上での船外活動中にデブリ・シャワーに遭遇しサバイバルする話。基本的に科学考証に従うスタンスの映画。3D映像によって描かれていることも…
“Incandescence” 2008 Greg Egan ISBN:4153350125 白熱光 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: グレッグ・イーガン,Rey.Hori,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/12/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (27件) を見る 容赦ないハードSF。小説と…
きらめきのあるダンサブルなエレクトロニカ。基本的にビートが主導するサウンドで、時折ヴォイスも混ぜつつ、やわらかい音響要素と清澄な装飾で形成されている。主に使ってる機材は、サンプラーとして AKAI MPC2000、リズムマシーンとして ローランド TR-808…
「最近どういう音楽聴いてるの?」っていう質問に答えるのが意外と難しくて。いきなり聞かれると咄嗟に何も出てこないことが多かったりする。 iTunesの履歴を見ることができればすぐ答が出せるけど、この質問はそういう定量的なことを聞いてるというより、「…
“BLINDSIGHT” 2006 Peter Watts ISBN:4488746012, ISBN:4488746020 ブラインドサイト〈上〉 (創元SF文庫)作者: ピーターワッツ,テッドチャン,嶋田洋一出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/10/31メディア: 文庫この商品を含むブログ (26件) を見るブライ…
“Corporate Warriors: The Rise of the Privatized Military Industry” 2003 Peter W. Singer ISBN:4140810106 戦争請負会社作者: P.W.シンガー,Peter Warren Singer,山崎淳出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2004/12/22メディア: 単行本購入: 4人 クリック: …
観てきた。 1. あたりさわりない範囲での感想 本編シリーズがあれだけ完全な出来映えだと新作続編つくるというのは相当難しいだろうなと思っていたので、ハードル低く構えて行ったんだけど、うん……あぁ、こういうのもありかな、と感じた。 結論から言うと、…
Rideの1stフルアルバム “Nowhere” が好きで、自分のなかではシューゲイザーなるジャンルを体現するものはこのアルバム*1 、曲で言えば “Dreams burn down” こそがまっさきに思い浮かぶぐらいに重要な位置付けにある。*2 といいつつ彼らのその後のアルバムは…
“3 Idiots” Director : Rajkumar Hirani India, 2009 インド映画。工科大学を舞台にしたコメディ。 “Aal Izz Well(きっとうまくいく)” をキーフレーズにした、ハッピーエンドでストレスフリーな内容。 いろいろ困難に見舞われるけどそのたびに知恵や友情で…
LAを拠点とするマルチ・インストゥルメンタリストの3rdアルバム。両親ともに音楽系で、本人もカリフォルニア芸大で作曲を学んだような人。 Kate Bush に例えられていることが多いみたい。声質はぜんぜん違うけど、曲には近い雰囲気があるかも。オーバーダブを…
皆勤の徒 (創元日本SF叢書)作者: 酉島伝法出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/08/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る これはすごかった。この何年かで自分が読んだSFのなかで洋邦問わずトップの位置に着床したと思う。 後述するけ…
バイオーグ・トリニティ 1 (ヤングジャンプコミックス)作者: 舞城王太郎,大暮維人出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/04/19メディア: コミックこの商品を含むブログ (15件) を見るASIN:B00EJJNH6M [kindle版] 原作:舞城王太郎・作画:大暮維人。 舞城王太郎…
キミトピア作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/01/01メディア: 単行本 クリック: 53回この商品を含むブログ (21件) を見るASIN:B00DOT53SI [Kindle版] 短編集。7編収載。展開がとっちらかった感じのものとか設定が荒唐無稽なタイプだとか…
2013年8月に発売された 2nd EP。1st もそうだけど、CD版はなくて MP3 と 12" Vinyl のみのリリース。MP3は moshi moshi records でダウンロード購入可能(http://shop.moshimoshimusic.com/downloaddetails?rid=MMR_RE_91)。Amazon.co.jp や iTunes store …
チープなエレクトロ・サウンドを素材にクラシカル/現代音楽のアプローチで編み上げた楽曲、といった感じ。 もともとはクラシック出自の人で、2004年から2006年までBBCスコティッシュ交響楽団の招聘コンポーザーだったような人なんだけど、オーケストラがハン…
“Август. Восьмого (August Eighth)” Director : Dzhanik Fayziev Russia, 2012 2008年に南オセチアで生じたロシア-グルジア間の戦争を描いた映画。 ロシアによる製作。 「現実の戦争と巨大ロボットバトルを組み合わせた映画」みたいなプロモーションが為さ…
“Pacific Rim” Director : Guillermo del Toro US, 2013 観たけど、感想はスルーしようと思った。でも、やっぱり何かしら書いておく。 自分としては大絶賛という評価でないのははっきりしているんだけど、いろいろもったいないな……という気持ちもあったので…
2012年リリースの 2nd アルバム。1st よりもアグレッシヴで完成度高い感じ。長時間かけてじっくり味わうハイクオリティのアルバムだと思う。かなり好き。 特に銘記しておく曲 M-2 "White Out" M-3 "Parallel Sign" M-4 "D.B.A." ほぼインスト。“Don't be afr…
“2010年くらいには おもいで ひかる クローバー” ……なんていう「未来」もとっくに過ぎて、もう2013年。でも、あのとき漠然と歌われてた未来像は Lama の音楽によってしっかり体現された、って思う。といっても Lama のこのデビューアルバムだって既に2年前の…
“Fiction et diction” 1991 Gérard Genette ISBN:4891765372 フィクションとディクション―ジャンル・物語論・文体 (叢書 記号学的実践)作者: ジェラールジュネット,G´erard Genette,和泉涼一,尾河直哉出版社/メーカー: 水声社発売日: 2004/12/01メディア: 単…
寂寥感あふれるヒップホップ。ポエトリー・リーディングなラップで、Arab Strap っぽい感じ。 物悲しさは主としてバックトラックによって醸し出されている。きれいで染み入る音、単体のポストロックとしても聴き込めるクオリティ。 その上に重なるポエトリー・…
着地としてはきれいだったと思う。結局チェインバーによるレドへの「支援啓発」というのが基軸になっているかたち。 以下、ネタバレ前提。 404 Blog Not Found:ロングピース社への対義提言 - 作評 - 翠星のガルガンティア とだいたい似たような感想。
ゆゆ式。なんか狂気的なまでにはまってる人たちがかなりの数いるっぽいんだけど。すっごくわかる。作品を鑑賞するとかエンターテイメントとか、そういうレベルでのはまり方じゃなくって。 見かけは単なる日常系萌え4コマ原作のアニメで、何が特別かっていう…
これは良かった。ポスト・パンク。イギリス。デビューアルバム。乾いた音と、湿ったメロディ。ヴォーカルは切実そのものといったところ。ジャケット写真の重いモノトーン・イメージがすべてを象徴している。 4人組の女性バンドなんだけど、スタイルというかア…
ぼくにとってイギリスあるいはロンドンという言葉は、何よりもまず音楽・デザイン・モダニズムといった事柄に強く結びついている。(だからイギリス・ロンドンの話題が出たとき、「アフタヌーン・ティーって憧れる…!」とか「イギリス紳士! 執事!」とか言わ…
“The Social Construction of What?” 1999 Ian Hacking ISBN:400024159 何が社会的に構成されるのか作者: イアン・ハッキング,出口康夫,久米暁出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/12/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (5…