Rideの1stフルアルバム “Nowhere” が好きで、自分のなかではシューゲイザーなるジャンルを体現するものはこのアルバム*1 、曲で言えば “Dreams burn down” こそがまっさきに思い浮かぶぐらいに重要な位置付けにある。*2
といいつつ彼らのその後のアルバムはぜんぜん聴いてなかったんだけど…… でも少し前に2ndアルバム内の “Leave them all behind” を単独で聴いてすごく気に入ったので、1992年発売のこの2ndアルバムをあらためて買ってみたところ、これがもう素晴らしい名盤だった。
とくに M-1 “Leave them all behind” と、MP3アルバムのボーナストラックとして収録されているインストトラック “Grasshopper” の2曲が群を抜いている。他にも良い曲いろいろあったけど、とにかくこの2曲について書きとめておきたい。
“Leave them all behind”
「うつむいてギターをかき鳴らす」っていうシューゲイザーの定型イメージを超えた、自信に満ちあふれたような曲。Rideのこれ以前の楽曲と比べて、圧倒的に力強いサウンド。悦楽的なギターノイズは変わらず空間を埋め尽くしてるんだけど、ベースラインとメインのギターリフが相対的に前面に出されていることで主題が明確になっている気がする。
歌詞も「〜なんてどうでもいい。」×3連、みたいな、ネガティビティが転じてアグレッシブな断言に変わってるような感じ。
終始ノイズが鳴り響くのではなくて静謐な溜めの個所がいくつかあるのが非常に効果的に作用してる。
“Grasshopper”
もともとアルバムには入ってない曲で、UKだと “Leave Them All Behind EP”、日本だと “Grasshopper EP” のなかでリリースされてたらしい。
曲を端的に表象するであろう単語を連ねると、疾走/轟音/恍惚/連続/無限…といったところなんだけど、とくに「無限」という部分が際立ってる曲だと思う。ミニマルな無限とは全然違って、いくつかの異なるレイヤーがそれぞれのなかで移ろいながら異なる周期で重なり合い、大きなひとつの流れをつくって進み続ける……というような。
11分近くあるけど、もっと長くずっとずっと続けたっていい。Supercarの “TRIP SKY” と同じ。まずもって演奏者自身が陶酔するだろうタイプの曲。
ぜんぜんふるくない……というかむしろあたらしく感じる。
感銘を受けたテキスト。
“特にエンディングのリフとスネアロールのコンビネーションは圧巻。蓄積された時間が全て噴出したように激しく、死が開放であることを証明しているかのような強さがある。これに心を奪われないならロックファンなどやめてしまえ、と言いたくなるほど燃えに燃える曲だ。”
Invisible - Ride, Grasshopper 10分57秒の生涯
http://kmfis.blogspot.jp/2007/02/ride-grasshopper.html
“Going Blank Again” ASIN:B000002LSL ASIN:B00B3OFZ0C [mp3] | “Nowhere” ASIN:B000002LNM | “Leave Them All Behind EP” ASIN:B00004WT8E |