4thアルバム。1stメジャー盤。
全曲、インスト。
ROCKIN'ON JAPAN 7月号でのインタビューで、「インストのロックというと普通『何で歌が入ってないの?』って思われがちだったのを、té の場合は一般の音楽に対して『むしろ何で歌が入ってんの?』って言っているような……」(大意) って言われてメンバーが大きく同意していたのが印象的だった。
実際、ヴォーカルレスであるにもかかわらず、歌ものロック以上に「聞かせる」曲となっていると思う。饒舌なツインギター、怒濤のリズム。
デビュー時から一貫して、曲やアルバムタイトルに同一の形式を守り続けている。音自体も基本的に変わってはいない。おそらく今後も大きな変容を見せることはない気がする。ひとつのスタイルに徹するという意味で、非常にストイック。
ライブ映像見るかぎりで思うのは、これは演奏してる側としては絶対楽しくてたまらないだろうな、というタイプの音楽。
所属レーベルである残響レコードは、もともと té の自主制作シングルが人気出すぎてしまったのをディストリビュートするため彼ら自身で設立したもの。その後、9mm Parabellum Bullet などを輩出した。65daysofstatic を日本に紹介したのもこのレーベル。
2009年のインタビューを読んでみた。
「残響recordはなぜ成功しているのか?」:http://ototoy.jp/feature/index.php/20090403
情け容赦のないグローバル・マーケットが席巻する現代において、細分化した趣味嗜好のごくわずかを追いながらなお生き残るためにはどうすればいいか、という試みのひとつの成功例。“10000人の耳を変えるレコード会社”っていうコンセプトもすばらしい。
また、レーベル・マネジメントをしつつ自分でも音楽活動を続けているっていうところも重要だ。Mo'Wax のジェームス・ラヴェル(UNKLE)とか 4AD のアイヴォ・ワッツ(This Mortal Coil / The Hope Blister)とかもそうだし。あと PIZZA OF DEATH - Hi-STANDARD とか? 探せば他にもいっぱいありそうだけど……。とにかくそういうスタンスには、好感が持てる。両立するの大変だろうけれどね。
see also :
“言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。” (2006) http://d.hatena.ne.jp/LJU/20060619/p1
“ならば、意味から解放された響きは『音』の世界の深淵を語る。” (2005) http://d.hatena.ne.jp/LJU/20050913/p1
official : http://tee.daa.jp/
label : http://zankyo.jp/
myspace : http://www.myspace.com/temyspace
ASIN:B003CUZ4SI