フィンランド・ヘルシンキ出身の女性シンガーソングライター Merja Kokkonen による、Islaja 名義のアルバム。(「イスラヤ」と読むみたい。)
曲調はとても寒々としている。一曲当たりの楽器数も少ない。といっても決して簡素なつくりというわけではなく、これ以上削りようがない最小にして十分な音構成といったところ。そのためヴォーカルが必然的に際立っているのだけど、それに見合うだけの魅力が彼女の声には備わっている。
印象としては、Kate Bush、Björk、上野洋子あたりの系譜が思い起こされる。スタイルがこの3人に似ているというより、曲のなかでのヴォーカルの位置付け方・存在感の強さという意味で。
音の志向はフォークやトラディショナルっぽくはあるけど、あくまで現代的にアレンジされている。ポスト・トラディショナル、なんて言ってみてもいいかもしれない。フィンランド語という耳慣れないことばで歌われているので、マウス・ミュージック(Puirt a beul)のように聞こえたりもする。
染み入る音楽。
曲リスト
M-1 “Joku toi radion” (Someone brought the radio)
M-2 “Suzy Sudenkita” (Suzy Wolfmouth)
M-3 “Dadahuulet” (Dada lips)
M-4 “Pimeyttä kohti” (Into the dark)
M-5 “Otakun uhkaus” (Otaku's threat)
M-6 “Rakkauden palvelija / 14. käsky” (Servant of love / The 14th rule)
M-7 “Ihmispuku” (The human suit)
M-8 “Ajanlaskun aatto” (Eve of chronology)
M-9 “Yövalo” (Night light)
特に銘記しておく曲
M-1、M-6、M-8、M-9
どうでもいいことだけど、フィンランド語で書かれたライナーノーツの最初の単語が、俺が唯一知っているフィンランド語 “terve” だったのでちょっとうれしくなった。(カウリスマキ映画で自然に覚えた言葉。)
myspace : http://www.myspace.com/iissllaajjaa
label : FONAL RECORDS http://www.fonal.com/
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