ニューヨークとベルリンを拠点に活動するコンポーザー/コレオグラファーによる 2nd アルバム。
6幕構成のオペラ “Elation” を締め括る部分としてつくられたもので、『サイボーグ・フェミニズム』の著者のひとりでもあるダナ・ハラウェイに影響されたアルバムとのこと。「血のつながらない家族」というものがここでのテーマとされている。M-9 の曲名ともなっている “Research Sister” というのがこの非血縁家族を指すことばとして提示されているものなのだが*1、アルバムタイトル “Siblings(兄弟姉妹)” もその拡張としての意味を持つのだろう。なお、ライナーノートにも書かれているように、この非血縁性には queer life の文脈がある。
音楽としては、力強くも眩惑的なコラージュといった感じ。破砕された素材が強いビートに牽引されて断続的に編成される。過剰で絢爛なそのサウンドはOPNを思わせるところもあるが、その上に乗るファルセットのヴォーカルこそが大きな特徴。M-1 “Story” のように単独で強く印象に残るヴォイスもあれば、M-7 “Emblem” で沁み入るリリックを歌う流麗なヴォーカル・ラインもある。
アルバムとして充分よくできている作品だと思うが、おそらくはダンスやオペラといったものを含んだ上演を意図されたものであって、そうした総合芸術形態でこそ真に完成するものなのだろう。
Colin Self
Information | |
Origin | Oregon, US |
Current Location | New York / Berlin |
Born | 1987 |
Links | |
Official | http://colin-self.com/ |
vimeo | https://vimeo.com/user2378756 |
https://www.instagram.com/colinself/ | |
https://twitter.com/colinself | |
Label | RVNG Intl. https://shop.igetrvng.com/products/rvngnl42 |
*1:Album liner notes http://colin-self.com/siblings-lp-album