“Das Schloss”
1922
Franz Kafka
ASIN:4102071024
[概要]
不条理文学の代表格とされている。
たしかに、設定された状況は奇妙。
仕事の依頼を受け、とある村にたどり着く測量士K。しかし到着してからすぐに、あらゆる物事が思うように進まなくなっていく。びっしりとはりめぐらされた不可解な規範に、ことごとく動きを絡み取られる。規範の中心には「城」を基盤とする茫漠とした官僚機構があるらしいのだが、Kと城の間には幾重もの見えない障壁が立ちはだかり、城は彼の存在を無視し続ける。したがって、いつまでたっても測量の仕事にとりかかることができない。それどころか、寝泊まりする場所を確保することすら困難になっていく。そうこうしてるうちに酒場の娘と結婚の約束をして一緒に生活を始めたり、別の娘と深い話をして同情を覚えたり。揺れ動きながら、さまざまな村人と交流していく。そんななかでも、なんとか城の役人たちに接触して自分の境遇を確認しようと努力し続けるが。