::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

 [ABOUT LJU]
 [music log INDEX] 
 

 雑食性 omnivorous.



たとえばカフェ系・雑貨系のスタイルがある。
あるいはFPMのようなオシャレ系。
ジャズのような大人系。
ほかには、ヒップホップ。
ギターポップとかも。
ポストロック/エレクトロニカ
青春系ギターロック。
それぞれ、音楽とともに、そのリスナーがどういう生活嗜好を取っているかが想像できる。
たとえばギターポップのリスナー。女子/男子、さらに男子のなかの二種類。女子はオリーブ型。男子はわりと女子型のタイプと、イケてないタイプといる、っていうのが、ライブに行くとよくわかる。
という分類は、80年代-90年代にはきわめて有効な観察視点だったわけだけど、
いまでもその分類は、それがもはや言説として有効かは別にして、分類自体はまだある程度可能だ。
そういうそれぞれのスタイルを素で、地で行ってるひとたちも実際いるわけだし。とくにカフェ/雑貨系は顕著じゃない?
女の子のスタイルとして。憧れとして。そういうスタイルブックが、世の中にはあふれてるし。
で、『ナギサコスメチック』だ。タワレコでマニキュアが特典。「服飾系ポップミュージック」だって。
スタイル、って、まだ健在。だと実感した瞬間。

そういうふうに、スタイルを徹底的に貫く(そのように生活が自動的に構成されていく)ひとびと、がいて、一方で、スタイルが定まらないひとびと、というのもいる。そこが以前の観察視点では語られていなかったことじゃないかな。

肉食性 carnivorous
草食性 herbivorous
雑食性 omnivorous

自分は結局、単に雑食性なだけな気がしてきた。
どれかひとつの方向だけでは、満たされない。ロックがすべての基調にあると思いたい、オシャレ系な音楽は身体的に受容するしけっこう聴いてもいるけど、スタイルとしては否定したい、そんでたまにはヒップホップが無性に恋しくなることもある、ジャズもファンクも体に合ってきた。
どれを選ぶかは、そのときどきの感情/身体がどのようにのぞむかに依る? いずれにしても、どれか単独の栄養分では維持できないんだ。そういう意味で、雑食性。
徹底的にその道を行くのでもいいか。そういう「体」なんだ、って思えば。

スタイル。スタイルの枠組に入る/スタイルの枠組に入りきらない。
どっちがいい?
たとえば、多様性を推奨してるひとたちっていうのがいて、でもそのひとたちは、そうは言ってるけど、そのひとそのものの生活を見てみると、うーん、きみはスタイルにはまりきってるじゃん、って感じだったりすることがある。たとえばどういう音楽聴いてるのか想像つくっていう。少なくとも嗜好について公言しているかぎりでは、はいはい、そうだろうねー、って感じで、予想を裏切られることはほとんどない。(でも直接話してみると、そうでもなかったりもするかも。)
別にいつだって多様性を目指さなければいけないというわけでもないし、言ってることとやってることが違うことだって、ある意味避けられないことでもあるし。なんらかの枠組から逃れることなんてできないし。
でも、性向として、肉食的/草食的/雑食的 という区別って、あり得ると思うな。
肉食と草食の区別、っていうのも。
それだって枠組であり、スタイルであるわけだけれど。何かの枠組から逃げなければならないなんて、そんなことはぜんぜんない。たとえば(自然科学の視点では)すべてのものは素粒子でできており、それは(おそらく)何らかの統一的ルールに支配されている。そしてそれを抜け出すことなんてできない。だけどそれを生活レベルで気にするひとなんて、いる? いない。それは、視点が違うから。そうそう、だから雑食性、というのは、スタイルレス、ってことではぜんぜんなくて、単にある視点から見た枠組に定まっていない、というだけの話。別の視点から見れば、それだってひとつの枠組であるのは当然。つまり、音楽ジャンル上の雑食性、にすぎない。ということ。
でも、音楽はひとつの断片で、生活全般がスタイルなわけじゃん? そういう文脈で雑食、って言ってたわけだから。

(ループ。ストップ。)









music log INDEX ::

A - B - C - D - E - F - G - H - I - J - K - L - M - N - O - P - Q - R - S - T - U - V - W - X - Y - Z - # - V.A.
“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell