自分にとって別格の位置付けにあるバンド。
世界でもっとも〈かっこいい〉バンドだと思っている。音楽としての革新性ももちろん、何よりもそのスタイルが。
このレベルで匹敵し得るのはcymbalsぐらい。それぞれ、別種のかっこよさだけど。でもどちらももう解散してしまった..。
ラストライヴ。ちょっとだけ迷ったけど、チケット厳しそうかなというのと、ラストライヴに込められてしまう重さが負荷になりそうな気がして、結局行かなかった。DVDも見る気はなかった。
なのに、店頭で流れてるのを見たら条件反射的に買ってしまっていた。
MCなし。アンコールなし。
そして最後の曲はやっぱり“TRIP SKY”。
当然と言えば当然。ライヴが始まる前からこの曲で終わるはずとみんな予想してただろうし、この曲が始まった時点で、ああもう本当にラストなんだということを自覚しただろう、きっと。
ラスト曲、この曲以外ありえない。
supercarでもっとも好きな1曲を選ぶってむずかしいけど、もっとも象徴的な曲ということなら、“TRIP SKY”こそがそうだと思う。初期ギターポップ時代の曲でありながら、後期エレクトロ時代の実験性の萌芽を宿した曲でもあったという意味で。
延々と同じフレーズを繰り返していき、轟音ノイジーギターに夢現の区別もつかなくなるほどの陶酔状態にされていって、そして唐突に終わる曲。
この曲で締めれば、きれいに終わるはず。予定調和。そう思ってた。
だけど、実際のその最後の最後はちょっと予想外、というか少し衝撃的だった。
微妙に段階的に終わっていて。ステージから立ち去る順番、行動のひとつひとつが、とても示唆的で...。
この最後のシーンが、期せずして、この映像を単なるライヴビデオ以上の、ひとつのドキュメントにしている。この4人の関係、解散に至る経緯が、どんなインタビューよりも能弁に描き出されている。悲しいまでに世界は冷徹にできているんだ。だけど、そんな終わり方こそが、彼らにはふさわしいと思う。淡泊なスタイルを徹底しながらも、それが逆に情感を喚起させてしまうような。
cf. 解散時の感想:http://d.hatena.ne.jp/LJU/20050118/p1
ASIN:B0009J8GGW