“blue garden”
2005, リトルモア
河合竜也
ISBN:4898151574
写真集。
カラフル。ポップ。
色彩。コントラスト。CGのような触感。
動物。湾岸。子供。
構成・編集が気持ちいい。見開いたときの左右のページの相関。
解像度の高い画像。物質の色彩をどこまで濾し取ることができるかの限界に挑戦しているかのように。そして印刷はそれに追随しようとがんばっていて、とてもきれい。
色。構図。絵であるような扱われ方。
コラージュ。たまにフィクショナルなオブジェクトが入る。
物質世界の隅々までを確実に捕らえようとするかのごとく。視覚の解像度が高められ、世界が無数のピクセルに分解されてことごとく把握されるような感覚。そうして捕らえられたピクセルの集合が、全体としてフィクショナルに見えるような構図を与えられている。細部をどこまでも詳細に観察しようという指向が逆に虚構性に近付いていくという奇妙な関係がある。〈現実性〉なるものは、虚構的なパラメータの構成によって成立しているものにすぎない、と言わんとしているように思えてくる。
〈色〉が単位要素である世界。