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 idea 313 “Graphics of Warp Records”


特集:ワープレコードのグラフィックス。
Warpから出されたさまざまなジャケットのデザイン、およびデザイナーのインタビュー、など。
レーベルとデザインの関係。



1..
レーベルとはなにか。

1-1..
レーベルといってすぐ頭に思い浮かぶのは、Mo’WaxNINJA TUNE、SUBPOPあたり。
最近だとmorr music、Smalltawn Supersound。Schema。日本だとLD&K。あとは実際はそんなに聴いてないけどRAWKUSとかもレーベルとしての強い印象あり。
そもそも最初にレーベルなるものを意識したのは、4AD。(いまの4ADはよく知らない。Minotaur Shockとか?)
COCTEAU TWINSDEAD CAN DANCEなど、独特の美意識・世界観が共有されたアーティストが所属していて、4ADというだけでどんな音、どんな世界観のアーティストかわかったものだった。いまでも、4AD系の音、みたいな言い方をされることもあるし。
ロゴもすぐ思い浮かぶ。
WARPNINJA TUNEも、ロゴと結びついてイメージされるな。ロゴって大切だな。)

1-2..
ふつう「レーベル」と言う場合、メジャー・レーベルに対するインディ・レーベル、が意味される。メジャー・レーベルは、どんなスタイルの音も許容し、大量のアーティストを所有して多面的に展開するが、これに対置したところにインディ・レーベルというものの棲み場所がある。
インディ・レーベルは何らかの方向性・特有のスタイルを打ち出して、それを売りにする。そのスタイルはいわば信頼のようなものとして働く。このレーベルならこういう音だろう、とか、このレーベルなら信用できる、というように。リスナーが限定されることになるかもしれないが、その方向性を好むひとびとには、強い訴求効果を与える。そのようにレーベルカラーをうまくつくることによってメジャーと棲み分けることができている。大組織ではなくても、世界規模のマーケットに展開することもできる。
インディ・レーベルが展開するイメージのアイデンティティは幅広く、音はもちろん、ジャケット、フライヤー、その他のグッズ等デザイン全面に至るあらゆるところに表れてくる。
個々のアーティストはもちろんそれぞれに差異を持っているが、それらの集合には何らかの共通性がある。まず最初にそのような共通性を持ったアーティストが集められるところから始まり、さらにさまざまな媒体でのデザインによってその共通項が強化される、という関係。
そのようにしてレーベルカラーがつくられる際には、レーベルのトップである個人の力が大きく影響を及ぼす。Mo'WaxのJames Lavelle、4ADのIvo Watts-Russellなど。こうした個人名がアーティストの名前と同列に語られる場合もある。
そうした個人性が顕然的になり得るのがインディ・レーベルの特徴。
ものを直接つくるひとびとだけでなく、間接的にものづくりにかかわるひとびとにも、クリエイティヴィティがある。
いくつものアーティストを括ることで、それらに共通するスタイルというものをつくりあげる、という創造性。

2..
レーベルはどのようにスタイルを築いているのか。

2-1..
まず、ジャケット。
たとえばWARPにおけるThe Designers Republic、LD&KにおけるMMMG。というように、デザイナーとの緊密な関係によってイメージの統一が図られる。
ロゴ。
そういえば、アーティストは、通常、ロゴを持たない。一方、レーベルは、あるいはレーベルに限らず企業というものは、ほぼ必ず、ロゴを持っている。
アーティストはその音楽自体が固有名と不可分に結びついているため(その音楽を言い表すためには、固有名を用いないとならない)、その名前をあえて装飾する必要はないが、レーベルは、何のイメージ戦略も為されなければ無色透明なままの存在。スタイルを広く知らしめるためには、ロゴによって、自分の名前を強いイメージとしてアピールしなければならない。
音。
最終的には音がスタイルの判断材料。
ジャンル、というものは、レーベルによってつくられている、とも言えるかもしれない。

3..
レーベルから学ぶこと。

3-1.
すべてをデザインし尽くすこと。余すところなく、隙を見せずに。そのようにして生まれるアイデンティティ、というものがある。



イデア 313号
 2005.11.01.
 誠文堂新光社






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―Angela Mitchell