洋書。東京およびニューヨークの都市風景の写真集。二冊並べて見ると、ふたつの都市の特徴がより際だつ。
おさめられてる写真の対象は、あらゆるジャンルにおよぶ。どっちかというとキッチュ寄りではあるけど。でも、こういう視点の方が好き。なんかもう最近のインテリア系のモダン指向、清潔指向の対極。都築響一的視点。そういうなかから、でもそれらの汚濁にまみれたようなオブジェクトが放つふとした独特のうつくしさ、みたいなものが感じられてくる。愛おしさ、というか。だめな子ほどかわいい、というか。
それにしても、どちらの都市も、サインとかシンボルとか、とにかく表徴に満ちている。
ニューヨークであればグラフィティであり、ネオンサインであり、東京であれば民間の俗なデザイン・広告物・貼り物。
そんななかでも、交通サイン、とくに地下鉄やJRの交通サインなんかは両方ともデザイン的に秀逸だというのもおもしろい。