::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

 [ABOUT LJU]
 [music log INDEX] 
 

 STUDIO APARTMENT“WORLD LINE” (2004)

何も考えなくていい。きもちいい。
何も残らないけれど。
何か単純作業するときに最適。
クーラーのように人工的で、手軽。
そういう音楽があったって、いいと思う。


 こういう音楽は、小洒落た洋服屋とか洋書屋とかでかかってる系統。音楽と社会性との親和という意味ではわかりやすい。音楽は必ずしも身体的・心理的な機能しか持たないのではなく、むしろ社会的機能も大きく担う。
 ところが、最近は、そうともいえなくなりつつある側面もある。つまり、何かがハビトゥスを表現する、ということが難しくなっている。たしかにFPMやSTUDIO APARTMENTは、ある種の趣味世界に親和しているが、それに完全に一対一で属しているわけではない。実際は誰でも聴くんじゃない? あるいは、FPMとASPARAGUSを同時に買うってことが、別に特殊なことではなくなってきている。そういう意味では、ハビトゥスという概念自体が、変容を迫られているのかもしれない。そうすると、データベース的消費、か。
 “Sound Concierge”を考えてみよう。FPM田中知之によるミックス、という固有名はおいといて、まずその選曲。「選ぶ」ということが意味を成す。選曲の全体がすなわち何らかの世界を表出している。個人やグループ単体をひとつ選ぶだけでは、世界を表出しにくい。いくつもの選択の集合でようやく、プロファイルが現れてくる。
 ミックスCDの場合、選曲内容自体に加え、誰によるミックスか、という点も選択の対象となる。という点でおもしろいかも。多重的。
 では、カテゴライズの仕方が(ハビトゥスからデータベース型、へ)変わるとして、それは何を意味する? カテゴライズ=観察。観察の形式の変容。ということは...。(結論出ず。)



M-2“FLIGHT 〜featuring Monique Bingham” 名曲。
あまりにいい曲なので、特典で付いてたこの曲のプロモDVDを見てみた。...これがあまりにしょぼい。テーマ不在、スタイル不在。なんだよこれ、これでプロですか? やっつけ仕事? 完全に曲に追いついてないじゃん。これならiTunesのビジュアルエフェクトの方がましだよ。
飛行機で世界中を飛び回るキネティック・エリートの、多忙にも優雅なライフスタイルを描いてるんでしょ、この曲は。もっと徹底的にハイ・スタイリッシュで、昂揚感と劣等感を同時に感じさせてくれるようなものでなきゃ。








music log INDEX ::

A - B - C - D - E - F - G - H - I - J - K - L - M - N - O - P - Q - R - S - T - U - V - W - X - Y - Z - # - V.A.
“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell