バックトラックがいい。インストとしてもクオリティ高い。ラップは、トラックに乗っているというより、対等な音要素として扱われ、相互に呼応している。
インスト曲とラップ曲と半々ぐらい。しかもトラックは生演奏。という意味では正統ヒップホップではない。
生音ならではの展開の複雑さ。しかも一曲一曲はけっこう短い。移り変わる音像。ループの印象はぜんぜんない。ただし音の展開はそれぞれ移り変わっても、各曲に漂う雰囲気はだいたい同じ方向にある。だから曲の途切れ目がはっきりせず、アルバム全体でひとつの曲のようにも聞こえる。全体で単一の風景へ融け込んでいく印象。
音としてはとにかくものすごくかっこいい。ドラムとローズ*1だけでつくられているのに。
とくにドラム、ものすごい。ジャズ・ドラム。ハイハットがきもちよすぎ。ふたつの楽器はどちらもStro the 89th Keyひとりで演奏されてる。
M-3 “Mr. J Warn Up”
ラップが大きくフィーチャーされてて、このなかではわりとノーマルなヒップホップに聞こえる。
M-6 “Second Wind”
インスト。わりと激しめ。踊れる曲、というより、もはや音自体が踊っている。
ローズ、バス、スネア、そしてハイハットもしくはシンバル。要素はたったそれだけなのに。