M-1 “Superstar”
曲を再生して、つまびかれるギター、ドラムのフェードイン、そして拡散するメロディ。一気に浮遊感に包まれる。
冒頭を聴いただけで、疲労度が10%ほど回復した。水分が体に流れ込むように。
メロディ。コーラスワーク。絶妙。あいかわらずことばづかいも良いし。
“「スーパースター」が一体誰をさしているのか、作者の私にもわからない。”と本人が日記で書いてる。
このことばで思い浮かべたのは、松本大洋の“GOGOモンスター”で、主人公が自分の世界に登場させる超越的存在に付けた名前。
あるいは“MOTHER”に出てきそうなネーミングかも。
M-2 “帰り道” 最後のフレーズ。
M-3 “真昼の人魚” ヴォーカルラインがきれい。うた、うまいと思う。
くるりの歌詞って、使われているのは単純な文章なのに文脈が微妙にずれていて、よく考えると意味がわからなく、でも断片的なフレーズが妙に心にひっかかってくる。決して説明的な、明瞭な歌詞ではなくて、それが計算されているものなのか、感性のままに綴られているものなのか、なんともいえない。
そんなことばが、この声質によってこの曲と混ぜ合わされると、くるりにしかない独特世界が表現される。
くるりの歌詞で好きなフレーズはいろいろあるけれど、いちばんくるりの世界をあらわしてると思うのは、“WORLD'S END SUPERNOVA”の次の部分。
“いつまでも このままでいい それは嘘 間違ってる
重なる夢 重ねる嘘 重なる愛 重なるリズム”
日常のやるせなさのなかで、なんかよいものもわるいものもとにかくいろんな感情とか思い出が、自分の意志と関係なくひとつになって音に溶け込んで昇華されていくイメージ。
くるりライブツアータイトル“はぐれメタル純情派”。っていうのに笑った。