+81 の写真特集号 第3弾。
Michael Kenna
荒木経惟
松江泰治
森山大道
David Bailey
Ellen von Unwerth
このなかでは、荒木経惟と森山大道がもっとも印象に残った。
荒木経惟の写真も森山大道の写真も、今までじっくり見たことなんてなくて、ちゃんと見るのはほぼ始めてだった。
まず荒木経惟。フォト・ペインティングもやってるなんて全然知らなかった。そもそもこんなに幅広い写真を撮っていることも。これを全部同じ人が撮ってるとはとても思えない。自分のスタイルに狭く閉じてしまうのではなく、とにかくいろんなことをやる、っていう感じ。この自由奔放さは、好感が持てる。インタビューも、すごく大言壮語に聞こえるけど、写真と併せて見ると納得させられるし、なんかキャラクターとしても許せてしまう。
次に森山大道について。もっと若い人なのかと思ってたけど荒木経惟よりも年上なくらいだった。この人は荒木経惟とは逆で、作風が明確に定まっている。撮るものは街、なかでも特に新宿を。そして常にモノクロで。
この特集号のタイトルが「写真の存在感」なんだけど、このことばがもっとも当てはまっていると思った。存在感。濃密な。
ファインダーで世界を切り取った、というのではなくて、写真が完結してひとつの世界を形成している。対象物とその写像、という関係を超えた、独立した絵のように。
この雑誌だけだと物足りない気持ちになった。
おそらく数日以内に、このふたりのどちらかの写真集を買うだろうと思う。