Diorama: Sky Watchers @ Coleman Project Space
Anna Nordquist Andersson
Jonas Dahlberg
David Svensson
Magnus Thierfelder
スウェーデンのアーティスト4人による展覧会。テーマは“見えるもの/見えないもの”および“見ている世界/思い浮かべている世界”。
4人とも作風はまったく異なるけど、それぞれ独自のアプローチでテーマを良く表現していると思った。
Anna Nordquist Andersson
写真9点。“Anna” “Blue Café” “Tree Eye” “Double Mirror” “Another's Eye” “Havanna” “Peep Hole” “Aperture” “The End”
“Havanna”
洗面所の写真。手前に洗面台と鏡があり、その横に開け放たれた扉の奥にも鏡と洗面台があるのが見える。鏡、窓、洗面台の位置関係がトリッキーで、どれが鏡に映っているものなのか惑う。視角が絶妙。
David Svensson
“Viewers”
床から壁へ立ち上がった面に、男女のシルエットが焼き付けられている。滲んだ染みのような。
置いてあったカタログに他の作品がいろいろ載っていて、興味をひかれた。同じような作品としてオレンジの面に樹木のシルエットが浮かんでいるものがあって、なかなかきれい。これもやはり面が床で折れ曲げられていたので、ここに何か意味を持たされているのかも。折り曲げることによって面を強調し、それが投影されたものであるということを示している、とか。
Magnus Theirfelder
“Outlook” “Visionary”
ひとつは、目のようなものをモチーフにしたイラストを壁面に描いた作品。もうひとつは、部屋の隅を走る配管の一部を膨らませたもの。
どちらも作品っぽくなくてちょっとわかりにくい。でもそれが狙いかもしれない。
Jonas Dahlberg
“Weightless”
納屋みたいな別棟の中で投影されている作品。部屋の中を浮遊する花瓶、および気泡の映像が、壁面いっぱいに大きく投影されている。水中のようなイメージ。同じ部屋で撮影されたものだと思うけど...。
別に3D映像というわけでもなく単なるモノクロの粗い映像に過ぎないのに、実際にその部屋の中を花瓶や気泡が浮遊しているような気分になる。そういう感覚をもたらすには、何も限りなく本物に近い映像を用意する必要はなくて、この程度の操作でも充分だということがわかった。完全に錯覚させるのではなく、あたかもそのように見える、という程度に留めるのであれば。
たとえば演劇というのは、映画とは異なりある程度抽象化された舞台装置の中で表現されるが、それでも充分に物語世界を想像させるに足りている、というのと同じようなものかも。
Coleman Project Space
94 Webster Road, LONDON SE16 4DF
Bermondsey, Jubilee Line
http://colemanprojects.org.uk/