::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

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  “輪るピングドラム”








ピングドラム
作品としてパーフェクトなアニメとは言えないけれど*1、好きかどうかと言えばとても好きだ。はっきりと。
最初の頃の「これはいったいどうなっていくアニメなんだろう……?」という良い意味での困惑と、最後の方の、切実にクライマックスを迎えていくところ。
とくに終盤は毎回、最後のタイトルが表示される流れが完璧で……。物語としての最終的なまとめ方も良かった。

また、全体がとてもよく考えられて出来ていると思う。
ちょっとした台詞や画面の何気ない小物などに重要な意味が持たされていて、あとから物語のなかにきちんと位置付けられていったり。
 
……とはいってもほんとうのところ、物語を結局どう整理すればいいのかは自分でもよくわからないでいる。
いろいろ感想を見てみると、さっぱりわからないけどなぜか感動した、というのはよく見かけた。
たぶん自分のなかでも、細かい話はどうでもよく思っている。
キャラクターの心理展開や台詞の表出、そしてそのリズムが心地良く。
全体を通して、ときどき心が止まるほど絵がきれいなところがあって。
意味やテーマがどうとかいうよりも、このアニメによって感情が駆動されるその仕方が自分にとてもしっくりくるものだった。



忘れてはならないのが、音楽がとても良かったということ。各OP・ED曲、挿入歌はどれもすばらしかった。ARBの楽曲がアレンジされ生まれ変わってるんだけど、どこかギターポップ風なノリに懐かしさを覚えた。サントラ買うかな……。というかパーフェクト版が出たならたぶん買う。

特に銘記しておく曲
 前期OP “ノルニル”  後期のもそうだけど、クルクル回るところや、改札に入るところが視覚的に気持ちいい。
 後期OP “少年よ我に帰れ”  最後のサネトシとプリクリのところの、楽曲とのシンクロ。
 1期ED “DEAR FUTURE”  イントロが何度聞いてもわくわくする。
 21話ED “魂こがして”  Yeh! Yeh! Yeh! Yeh! Yeh! Yeh! Yeh! Yeh! Yeh! Yeh!
 20話ED “Private Girl”  これもイントロがきれい。
 19話ED “HIDE and SEEK”
 14・17話ED “Bad News 黒い予感”
 13・15・18話ED “灰色の水曜日”  
 あと、挿入歌 “ROCK OVER JAPAN”……っていうか “生存戦略” ももちろん。映像と不可分に最高。

回としては、9話 “氷の世界” と20話 “選んでくれてありがとう” が、ぐっときた。

「だからさ、リンゴは宇宙そのものなんだよ。手のひらに乗る宇宙。この世界とあっちの世界をつなぐものだよ」
「あっちの世界……?」
「カムパネルラや他の乗客が向かってる世界だよ」
「……それとリンゴに何の関係があるんだ?」
「つまりリンゴは、愛による死を自ら選択した者へのご褒美でもあるんだよ」
「んでも死んだら全部おしまいじゃん」
「おしまいじゃないよ! むしろ、そこから始まるって賢治は言いたいんだ!」
「ぜんぜんわかんねぇよー」
「愛の話なんだよ、なんで分かんないかなー」

……たしかにテーマはだいたいここに集約されてる。






*1:この回はもうちょっと短くまとめた方がよかったのでは、とか、作画の出来不出来が……とか。演出もすごく好きなんだけど、でも新しさでいうと、ものすごく斬新な演出という境地には達してないかな……とか(でもそんなこともないか。新しいといえば新しい。)。そもそもすべてがちゃんと明らかになってるわけでもないし……。






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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell