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 弐瓶勉 “シドニアの騎士 13巻”






シドニアの騎士(13) (アフタヌーンKC)

シドニアの騎士(13) (アフタヌーンKC)







第13巻
第60話:半自律式転換機構の設置 / 第61話:新操縦士の初陣 前編 / 第62話:新操縦士の初陣 後編 / 第63話:白羽衣つむぎの夢 / 第64話:かなたの解体



巻末、ラスボス顕現といった感じで完全にクライマックス。
その前のラブコメパートもひとつの頂点を迎えた感じ。

とりあえず現段階までに出ている物語要素だけで、もういつでも完結可能なものが揃ってると思う。
ここに至るまでにさまざまな要素が配されてきたけど、物語の展開という意味では、それらすべてが収束してきている模様。(「ガウナとは何か」というもっとも大きな問題に明確な答が出てるわけではないけど、これは物語上必ずしも解かれなければならない問題ではないし。)
もうこれ以上複雑な状況にはならず、あとは終幕に向けて進んでいくだけ……という気がするんだけど、どうだろう。



(以下、内容の細かい点について。)

  • 63話・64話は大きく話が動いた感じがあるけど、60・61・62話はそうでもなかったような。
    とくに62話のガウナにどういった意味合いがあるのか。ガウナとの格闘可能性を示しつつも即座に否定されてもいるし。
    それよりも単に新機体登場のための回なのかも?
  • 半自律式転換機構
    • 仕組みがよくわからなかった。インプットを反転させるとかなんかそういうことなんだろうけど……。ケーブルの機能・目的とか、重力子放射線射出装置用のエネルギー蓄積とかの仕組みが謎。
  • シドニア百景 その48 不明」
    • おそらくつむぎ(の願望的自己像)と思われる人物。
      あり得たかも知れない物語ラストのひとつ、っていう感じもする絵。
  • 新機体 継衛改二
    • 拡張用のハードポイントが特徴的。
      二〇式はまだ開発中。
  • 水城型艦艇 複数建造済。
  • 大シュガフ船の主本体はガウナの本体をつくっている。成長中。
    • ガウナがどこから来るのかということのひとつの答。
  • つむぎと長道のデート。
    • 何度見ても、つむぎはヒロイン像としてけっこう独特だ。今後萌え概念が語られる際の欠かせない事例になりそう。
  • 「私は振られてませんよ イザナさん… 必ず帰ってきましょう」「え !?」
    そうなの纈?? ……ほんとに「え !?」だよ。。。
  • 融合個体解体処理開始。→ 勝手に中断・移動。→ 情報解禁、衛人による対処。GCPDSによる狙撃。→ 融合個体の本体に超構造体の殻が。→ 谷風出撃準備。→ 爆破工作。海蘊の謀反。
    ……このあたりは非常に緊迫感ある展開だった。
  • つむぎとかなたの会話。
  • 「大事なものには予備が必要」
    • まさにそうだからこそ谷風長道という人間が生み出されたわけだと考えると意味深い。
  • 「この声 !!」
    • 身体がぜんぜん違うのに声でわかるんだ…? もとの身体での発声が今度のあたらしい身体でも同じトーンで発せられるようにつくられてる、ってことかもしれない? ……あまり気にするようなところではないかもだけど。
  • 超構造体で形成された融合個体。
    • すごく無敵で対処しようがない……って思ってしまうけど、でも重力子放射線射出装置なら有効だし、継衛改二も超構造体でつくられてるわけで、戦力差がものすごくあるということもないのかな(二〇式ができたらほぼ拮抗するのでは)。どちらかというと、いろいろ工作も仕掛けてくるであろう知力の方が手強そう。
  • 今後の展開がどうなるか。
    • 12巻での仄炒のコピー誕生は、ガウナが人間を模擬生成できるようになったことを意味する。
      人類側の「融合個体」がガウナを模してつくりあげられた存在であることを考えると、ガウナがいずれ融合個体の対極を成すような模擬体を兵器として運用してくる可能性はあるのかも。紅天蛾というのが既にそういう存在ではあったかもしれないけど、紅天蛾には自我や思考能力がなかったようなので……。
      当面はもちろん現下の敵への対処が中心になるとして、そのあとまだ完結せず続くなら、次はガウナと何らかのコミュニケーション前段階的なものが進展する話になっていきそう。
    • それにしても、落合は究極の生命への転生という目的を達成したわけだけど、もしこのままシドニアを壊滅させることができれば他に妨げとなる存在はいなくなるはず。ガウナ/大シュガフ船だってまったく障害にならないような。
      物語としてはここで落合の野望は潰えることになるのだろうけど、仮にそうならなかったとして、究極の不死的存在になった者はそのあと何をやってどう生きていくんだろうな、とか思ったりする。宇宙をつくりかえるぐらいしかやることなくなるんじゃない? 実際それをやる時間も能力もあるのかもしれないけれど……。








シドニアの騎士 13巻 ISBN:4063879917, [kindle版] ISBN:B00MNAPQ9A







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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell