“Leviathan”
Director : Lucien Castaing-Taylor, Verena Paravel
US/FR/UK, 2012
最初に、【エクスペリメンタル注意】 って絶対言っとく必要がある。
同名タイトルの映画いくつかあるけど、これは2012年製作のドキュメンタリー。
ジャンルとしては一応 “ドキュメンタリー” に括られるだろうけど、必ずしもそう断言できるようなものでもない。
“映像” と言っておくのが適確。
- 絵として、ものすごくかっこいい。
- ひとつひとつのフレームが写真家の作品のごときクオリティ。というよりむしろ写真集を動画で見ているような映像。
しっかり色調編集されてて、色彩・陰影がすばらしい。
構図も非凡で刺激的。ただしそれは意図的なものではない(後述)。
冒頭の揚網シーン、海底へ延びるチェーンの軸線と水平線が斜行する構図なんてすごくグラフィカルなんだけど、まったく偶然の産物。操作されていないからこその新鮮というのはあり、それが徹底された極限といった感じ。
- ひとつひとつのフレームが写真家の作品のごときクオリティ。というよりむしろ写真集を動画で見ているような映像。
- ただし、観ると本気で酔う。船酔いという意味で。
- 誇張でも何でもなく、身体的に苦痛なレベル。
予告観ると何となく想像つくと思う。実際には予告映像の数倍、過酷。
- 誇張でも何でもなく、身体的に苦痛なレベル。
- でも映像として非常に刺激的。
どうやって撮影しているのか最初まったくわからないものがあって、不思議だった。-
- 獲れた魚が甲板を埋め尽くし波で揺られ寄せては返す様態。
- 群れなし飛行するカモメ。上空のホバリングから海面下へのダイブの往還。
- エイを捌く船員のリズミカルな協働。
- 船側外板から排出される魚の血液混じりの海水。
- どこかペンギンのようにも見える海鳥が必死に鋼板をよじ登り続けるシーン……
- 要するに、「視点」が独特で類例がない。
あー…次はこう来るんだ…、という感嘆と、それを通り越してもう笑ってしまうぐらいの感じ。
-
- そもそもどういう作品なのかというと。
- 参考レビュー
「言語化できないもの」の再発見で、映画のパラダイムを更新する『リヴァイアサン』
http://www.cinra.net/review/20140828-leviathan
「ノイズ・ミュージック」っていう見立てはまったく同意。
- その他
Upon earth there is not his like, who is made without fear.
この地上に、彼を支配する者はいない。彼はおののきを知らぬものとして造られている。
Job 41:1-34