ふぅ。とうとう買ってしまった。tortoise。
前試聴したときいまひとつだったんだけど。でもいま聴いてみるといい感じだ。落ち着きます。だんだんポスト・ロック体質になってきたからかな?
なかなかアートワークなんかも凝ってていいな。
解説見ると、けっこうスタンスはポリティカルだったりするようだ。US-シカゴ、っていう土地柄なんだろうか。ヨーロッパとはまた違うんだろうな。
tortoiseはあんまりエレクトロの香りがしないね。楽器勝負、って感じだ。ジャズ、っていう印象もそんなに受けないな..。なんか展開がミニマルじゃないんだよな。延々と異なる風景を紡いでいくシークェンシャルな叙事詩? インプロっぽいところはまあジャズっぽいのかも。でもサウンドとして、音響指向? 構築的というか...やっぱりインプロ的、雰囲気で攻める、っていう感じかなぁ。
実際つくりかたは、メンバーのそれぞれのアイデアを他のメンバーが発展させていく、というのの繰り返しみたいで、スタジオでのワンセッション、ていうよりも、断続的な個人作業の反復交換でできあがっていく、という感じらしい。すごいなそれ。よっぽど世界観が統一されているのか、あるいは結局誰の意図からも離れたものに結実しているのか。それはもはやバンドというよりもコラボレーション、ではないの? そういうつくりかたもあるんだ...。
M-3“Crest” うつくしくも、壮大。音楽が情景を想起させるのは、なぜ?
M-10“Salt The Skies” 展開がいい。
tortoiseは、基底にあるのがポジティヴだ。現実逃避かもしれないけれども。
あと、ジャケットは裏の方が好き。
なんか崖の向こうの丘の上に、建物のような、看板のような構築物があって、そこに絵なのか鏡なのか、雲の情景が写っている。その向こうは、曇天。迫り来る雨を予想させるように、光と影が混じり合っている。一方、建物に描かれた雲は、青空をバックにした拡がりのある光景として表されているのだけれど、曇天のなか、逆光で陰になっていて、青空のようにさわやかには見えない。手前の崖には滝が流れ落ちていて、それはあたかも人工の光に照らされているかのような明るさに満たされている。
多重のシーン、虚構、光、影、いくつもの対比と重層が、奥行きのある全体を構成している。あきらかにコラージュしてある、という感じを残しつつ。
このジャケットは、tortoiseの音楽性を表現しているといってもいいと思う。そのつくりかた、構成を物語っている。