最近あるものが必要になって買い物に出かけたことがあったのだけど、そういえば今年初めのセールでも同じものを見かけて結局買わなかったことを思い出して、あらためて値段差を見るとどうもいま買う気になれず、もうちょっと全面的に考え直してからにしよう...と保留事項に追いやられてしまった。やっぱりタイミングって重要だって思う。
さて、空前の円高・ポンド安局面にある昨今、amazon.co.uk での買い物が非常にお得、ということがちょっと前から話題になっているのをいろいろ目にしていたのだけども、とくに買いたいものはないかな... と思っていたら急に欲しいものが頭に浮かび、今度はこのタイミングを逃さずに買おうと思ってほとんど吟味せずにクリックしてしまったのが、この本。
Studio Olafur Eliasson: An Encyclopedia
http://www.taschen.com/pages/en/catalogue/art/all/00341/facts.studio_olafur_eliasson_an_encyclopedia.htm
オラファー・エリアソンの巨大な全集カタログ。
以前 NADiffで見かけていて、そのボリュームに圧倒されつつ、エンサイクロペディアの名にふさわしい充実した中身に激しく惹かれはしたものの、値段もそれに見合う圧巻なものなので、うん、これは店頭で見かけて流し読みするだけのものだな...と最初から自分のなかの購入対象外項目に分類されていたものだった。
それを思い出し、じゃあもしこれを amazon UK で買うといくらなんだろう?と見てみると、日本で買う場合の約4割ぐらいの値段だった。日本で買うと2万円ぐらいなのが、amazon UK だと今なら送料込みでだいたい64ポンド。1ポンド130円ぐらいの最近で換算すると約8000円だ。もちろんこれでもまだ高価な本の部類に入ると思うけれども、それでも2万円なんて論外な値段に比べたら、まだ購入に踏み切る範囲には入っている。最近ポンドも微妙に上昇傾向とはいうものの、カードの引き落としタイミングまでに多少上がったとしたって、まだお買い得な値ではあるだろうと思われた。
...という思考も実際は伴わず、ほぼ条件反射的に購入シークェンスを進行させていったのだけど、注文から6日、amazonからの商品が届いた。
実物がどんなものだったかけっこう忘れていたのだけど、あらためて対面してみると.... もう考えるまでもなく家にあるあらゆる書籍のなかで最大。群を抜いたボリュームだ。S M L XL: Second Editionと比べたって、もはや次元が違う、っていうぐらい。
中身はというと、まず写真が巨大で精細。いままで14インチで見てたテレビが、急に50インチのハイビジョンに変わったかのような。
めくってもめくっても現れる作品の数々は非常に多彩で、A / ARCHITECTURE から始まって、B / BEAUTY、C / COLOR、D / DEMOCRACY と続き、Z / ZERO まで26のカテゴリーに分けられ、今までの作品があまねく網羅されている。
基本的にはインスタレーションの作家で、その試みは多岐に渡っているけれど、全体を眺め渡して強く感じとれる軸は、空間/体験/知覚といったこと。
もちろん実際に体験するのがより好ましくはあるだろうとしても、これだけの大きさの本で見るならば、ノーマルな本に比べると作品の再現量が一桁違うぐらいの感じがする。
実物を見たかった“The Weather Project”が 61.6cm×39cm の大画面で展開されるのは、追尾体験としては満足。
これから毎朝起きてこの本があるのを認識するたびに、幸せな気分になると思う。大切にしていきたい本。
それにしても、たしかにamazon UK はやばいな。
ついこれとかこれも欲しくなってしまうのだけれど、amazon UKだと取り扱ってないみたいで、ちょっとあぶなかった。