::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

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 Hauschka “Abandoned City” (2014)









プリペアード・ピアノの奏者によるポスト・クラシカル。ドラムやストリングスを併用してた前作と違って、本作は基本的にプリペアード・ピアノ単独。
どういう音楽なのかというと、たとえばこういう曲↓





で、この音がどのように発せられているのかというのが問題。
多彩な楽器が重層的に組み合わされているように聞こえるけれど、このアルバムの曲は、ほとんどがたった1台の楽器から生成されている。
この動画がわかりやすい↓



Hauschka “Random Gifts” at NPR music, 2010
www.youtube.com

「おもしろいのは、プリペアード・ピアノの素材は、びっくりするようなすばらしい音を出すときもあれば、まったく何の役にも立たないときもあるってこと。だからいろいろ試して探っていかなきゃならない」

「ミントタブレットの箱とかは、それ自体、既にパーカッシブな音を持ってたりするんで、ただそれを始動させればいい。……一方クリップの場合、いちばん良い使い方は、弦をこうやって留めること。これで音がミュートされる。こんな感じに。だから 5・6個のクリップを使うと、パーカションセットをひと揃い持つことになるね」

「低音部に何もないので、貝殻の束を置いてみようか。……すると、こんなふうに、もつれた音が加わる」


ピアノの物理的なカスタマイズ。
メロディの中心は純粋なピアノサウンドではあるとしても、それ以外のパーカッションとかノイズのような異なる種類の音もすべてキーボードの打鍵だけで発生されてるっていうのがおもしろい。
これって、実はサンプラーの発想にすごく近い気もする。MPCみたいに音をパッドに割り当てて、リアルタイムに演奏する……という感覚に似たものが。(音要素の単位長さは違うけれども。)
いろいろ試行錯誤して「曲になる音」を組み合わせていくんだろうけど、偶然に拠るところも大きかったりしそう。



特に銘記しておく曲
 M-1 “Elizabeth Bay” 
 M-3 “Thames Town” 
 M-5 “Agdam” 
 M-8 “Bakersville” 
曲タイトルは、世界のさまざまなゴーストタウンの名前から採用されている。




Hauschka
Information
Birth name: Volker Bertelmann
Born: 1966
Origin: Germany

Links
Officialhttp://www.hauschka-net.de/
  SoundCloud  http://soundcloud.com/hauschka
  YouTube  http://www.youtube.com/hauschka
  Twitterhttps://twitter.com/hauschkamusic
Label: City Slang  http://www.cityslang.com/releases/64220/abandoned-city/

ASIN:B00GVD5JVU









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―Angela Mitchell