ヒナステラ “ハープ協奏曲 作品25”
第183回 東京芸術劇場マチネーシリーズ 2016.01.09
読売日本交響楽団
指揮:ミヒャエル・ボーダー
ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
Yomiuri Nippon Symphony Orchestra
Conductor : Michael Boder
Harp : Xavier de Maistre
東京芸術劇場での読響マチネーシリーズ2016年最初のコンサートで演奏された曲。
他にワーグナーとドヴォルザークの曲も演奏されたんだけど、ヒナステラのこのハープ協奏曲が際立って良かった。
クラシック音楽という意識をひっくり返されるぐらい刺激的。
メストレのハープももちろん良かったんだけど、ティンパニその他の打楽器が非常に存在感を放っていて、全体的にとてもリズム重視の曲。ポップ・ミュージックに通じるものを感じた。クラシックというか、ポスト・ロックとしても聞けるぐらい。あるいはスティーヴ・ライヒのアンサンブルみたいな。
途中に静穏な部分もあるものの、序盤と終盤におけるハープとオーケストラの掛け合いはリズミカルで鮮烈。
ヒナステラのハープ協奏曲、ネットに上げられてる他の演奏も聞いてみたけど、なんかもっとおとなしめな感じで、今日の演奏にあったような激しさは感じなかった。それは指揮者に依るものなのかハープ奏者に依るものなのか。メストレの演奏はわりとメリハリあって力強いタイプだったと思う。
- ヒナステラはアルゼンチンの作曲家。“ハープ協奏曲 作品25” は1965年に作曲されたもので、クラシックとしては比較的あたらしい。
- アンコールでのメストレのハープ独奏も良かった。
ハープって、ギターっぽい面とピアノっぽい面がある楽器なんだなと思った。
- もともとドヴォルザークを目当てに行ったんだけど、予想外の収穫だった。
ドヴォルザークの交響曲第9番はクラシックのなかでもっとも好きな曲で、第3楽章>第4楽章>第1楽章という順で好みなんだけど*1、この日の演奏では、第3楽章と第4楽章は自分が思ってた楽器バランスと違ってたので消化不良な部分があった。でも第1楽章はそういうところがなく、けっこう感動した。日頃から自分が良く聞いてるクラシックをコンサートのオーケストラで聴くのは、良いものだと思った。
第183回 東京芸術劇場マチネーシリーズ 2016.01.09
- ワーグナー “楽劇 〈ニュルンベルクのマイスタージンガー〉 第1幕への前奏曲”
Wagner “Die Meistersinger von Nürnberg, Prelude to Act I”- ヒナステラ “ハープ協奏曲 作品25”
Ginastera “Harp Concerto, op. 25”
I. Allegro giusto
II. Molto moderato
III. Cadenza. Liberamente capriccioso - Vivace- ドヴォルザーク “交響曲 第9番 ホ単調 作品95 〈新世界から〉”
Dvořák “Symphony No. 9 in E minor, op. 95 ‘From the New World’ ”
I. Adagio - Allegro molto
II. Largo
III. Molto vivace
IV. Allegro con fuoco
*1:第2楽章については、あの有名なフレーズはそんなに気に入っていないけど、中盤以降からはわりと良いと思ってる。