Adem Iihan, Kieran Hebden and Sam Jeffers.
“Happiness”から6年振りのニューアルバム。5th。
Kieran HebdenがFour Tet名義やSteve Reidとのコラボレーションで精力的に活動してたのにFRIDGEだけ取り残されてたから、どうしたのかと思ってた。
全体的に、わかりやすいメロディに導かれていると思う。一方で、どの曲でも常に細かいサンプリング・サウンドが散りばめられていて、それらがメロディの下で何やらざわめき続けてもいる。前者は独立しても曲としてのエッセンスを残すはずで、後者はそれだけでは曲を成すことはないだろう。それぞれは互いに無関係なものとして流れている印象もあるのだけど、後者が前者を補完し、さらなる拡がりと豊穣さを与えているという感じもある。
クリアなメロディに対しては異物といってもいいようなそうした混成物を纏わりつかせているにも関わらず、最終的にはひとつのイメージを与えるような全体が構築されているのは、ひとつには音を貫き紡ぐリズムによって果たされているものだと思う。そしてそこでは特にドラムが重要な役割を担っているはず。というのは、ここでのドラムは全体をリズムとして引き締めていると同時に、時としてそれ自体が極度に細分化して環境音のように聞こえる局面もあって、ふたつの相を往還する曖昧で特別な位置を占めていると思えるからだ。そうした観点からすると、M-4 “Drums of Life”という、ドラムソロ的な短い曲の位置付けが特に意味深い気がしなくもない。
M-1 “The Sun” 前作っぽい。Steve Reidからの影響がある感じがする。
M-2 “Clocks” これは良い。最初ミニマルだけど。
M-5 “Eyelids” 激しくギター主体でロックな音。それらがノイジーな奔流として収束していく展開が何度か繰り返される。しかしそれらの下では、まるで無関係にさざめく細かい音が。
M-8 “Insects” 徐々に盛り上がってくるイントロ。