::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

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 Sonic Youth





Sonic Youth
  McCarren Park Pool, Brooklyn NYC. August 30, 2008.
  taken by riotonsunset, CC BY-NC-ND 2.0







 Sonic Youth にはまっている。
 最新作というわけではなく、一連の旧譜に。
 “Daydream Nation” “Goo” “Dirty” “Washing Machine” “A Thousand Leaves” という5枚のアルバムを立て続けに聴き、日々ひたすらリピートしている。
 かっこいい。
 「あなたにとって《かっこいい》とはどういうことですか?」と聞かれたら、当分は「Sonic Youth」と答え続けようと思う。現状におけるひとつの規準。

 といっても、Sonic Youth をちゃんと聴くのは遅すぎるような気もしなくもない。70年代ロックのように自分が物心つく前に盛り上がっていたものを追体験するならともかく、リアルタイムで聴こうと思えば聴けたはずのものを今になってはまるというのはどういうことなのか……。当時UKロックの方に傾倒していたのは確かだけど、グランジ/オルタナもある程度は聴いていたし、Sonic Youth だって一曲も聴いたことがないなんてことはなかったはずなのだが。


 しかしそれはそれとして。
 そうやって Sonic Youth を聴いてみた印象は、ひとことで言うと「成熟している」というもの。ノイジーでハードコアではあるのだけど、渋味のようなものがあって、何か大人のロックという気がする。
 大人といってももちろん、AORとかではない。たしかに今までだったら、Steely Dan だとかが「大人のロック」かな…と思ってたりもしてたけど、そういうのとはぜんぜん違う大人のあり方もあるんだということが、これらを聴いてわかった。
 はしゃいだ感じはないし、青臭さもない。概してヴォーカルは絶叫せず、ささやきといってもいいような歌い方をしているときすらある。それでいて十二分にパワフルかつハード。
 各アルバムを聴いているとまるでハズレ曲がなく、基本的に曲を飛ばす必要はない。それは、彼らが自分たちのスタイルを完全に掴んでいて、ブレがないからなのだと思う。
 ――というか、あらためて彼らの年齢を確認してみると、1988年の “Daydream Nation” の時点でもキム・ゴードンは35歳、サーストン・ムーアは30歳……けっこう年いってるんだな。今現在の年齢は更に。自分より少しだけ上の世代の人たちと思ってたけど、もっとずっと年上だった。どうりで成熟した音のわけだ。
 若い頃からアンダーグラウンドな音を徹底してやっていた人たちが、そうした「インディ」な魂を失わなずそのまま成熟するとどうなるか、という好例だと思う。
 書いてみてわかったけど、自分が今になってはまったのは、これらのアルバムをやっていた当時の彼らと似た年齢になったからなのか……。しかしこんな音を出されてしまったら、“Don't trust anyone over 30” なんていうフレーズはもう完全に否定してもいいだろう。


 彼らの音は、「枯れている」と表現すべきだろうか。
 硬質ではあっても、侘び寂び的なものとは違う。
 ダウナーではある。
 Radiohead がイギリス的抑鬱を体現した音だとすれば、Sonic Youthアメリカ的抑鬱を代表していると思う。
 ……ということを誰かが言っていたような言ってなかったような。
 もちろん、単にダウナーであるだけではなく、ハードコアであり疾走的であるということがとても重要だ。






official website of sonic youth : http://www.sonicyouth.com/
 :オフィシャルサイト。充実してる。こんなの逍遙し始めたら戻ってこれなくなりそう。
The Sonic Youth Information Database : http://www.sonicyouth.com/mustang/index2.html
 :オフィシャル内のデータベース部分。歌詞や雑情報など。アルバムのインナースリーブまで載ってる。かなりすごいな……。バンドに絡むすべてを蒐集し保存しようという強い意志を感じる。


その他 Sonic Youth のディスクレビューを書いているサイト:
 WISH YOU WERE HERE : http://junn7.at.infoseek.sk/sonicyouth1.htm http://junn7.at.infoseek.sk/sonicyouth2.htm
 Chaos In Music : http://www.k2.dion.ne.jp/~cim/artists/sonic%20youth.html
 hsysblog : http://hsysblog.jugem.jp/?eid=148
 GRUNGE ALTERNATIVE : http://sound.heavy.jp/grunge/band/alternative/1/sy.html







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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell