まずは少し冷静になってみよう。よくあることだ。最初に聴いたその瞬間と、あとでじっくり聴いたときとで、音の印象が変わってしまうということは。
今はまちがいなくこの音に興奮しているけれど、この感覚が後々に至るまで継続するかどうかはわからない。
しかしさしあたり現状では、音の一瞬ごとがことごとく刺激的であり、CDを順に再生して聴いていくのももどかしいほどに、次の音を聴きたくなる。
いっそのこと全部の曲が瞬時に脳内に入り込んで、全体構成が完全に把握されてからゆっくりと反芻していければいいのに、なんて思うぐらい。
これは Jaga Jazzist を初めて聴いたときに匹敵するかも。
全編通してエレクトロとサックスの組み合わせ。
(生音ってサックスだけか? ヴォーカルは除外したとして。)
ところがこうしたふたつの対極の要素は、あまりに自然に調和している。
初期衝動だって大切だ。そのときその瞬間に思ったことを書かなければ、感想の意味なんてない。
逆に、すごく期待してた最近のある新譜があまり前進しているように思えなかった、という直近の出来事が影響して自分のなかの閾値が下がっているのかもしれないが。
要するに、音として新しいものを聴きたかったんだ、最近は。
そしてまさにこれこそ、音楽として新しいと思う。
NIK BÄRTSCH もかなり新しい音だと思うけど、あれはフォーマット自体はJAZZから逸脱しているわけではないし。
藤原大輔とrebus tapeのユニット。
fujiwara, daisuke as quartz head / sax, synthesizer, rhythm machine, electronics
rebus tape / digital modular synthesizer
M-1 “afro bleeps now”
M-3 “people open their eyes to sleep” 少しだけ女性ヴォーカルが。
M-7 “the gate is still triggered”
M-9 “chief talks what you've got” 最初だけ静かでアンビエント。そこからリズムとともにサックスが開始し、一気に軽妙な舞台へと切り替わる。
M-10 “what kao keeps in view is the spiritual mechanism” やたら長い。20'29"。冒頭はノイズ。