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 Gravenhurst “The Ghost In Daylight” (2012)



The Ghost In Daylight (WARPCD216)





たぶん Gravenhurst は、私が所有している音源のなかでももっとも澄み切った境地にある音楽。
音数は少なく、主にアコースティック・ギターと繊細なファルセット・ヴォイスによって透明な世界が精製されている。
その純粋さは道徳的な清濁とはもちろん無関係で、ただ空気として、視界として、感覚としての清浄。
枯れている、と表現してもよいのだけど、そこはかとなくやすらぎもあるし、なにより情熱が秘められている。
このような清浄を表現するためには実は情熱こそが不可欠であり、真髄だと思う。


5thアルバム。
3rd·4th は 2nd や EP “Black Holes In The Sand” と異なりバンドサウンドの比重が大きかった。この 5th は全体としては以前のシンプルな方向に回帰している。
どちらの路線もすばらしく、ただ手法のバランスがそのつど異なっている。このアルバムでもエレクトロニックな加工や編集は適度に施されているし、とくに M-6 “Islands” などは、ビートとリヴァーブで荘厳にも濃密。
でも根底にあるのは清涼を目指す志向で、それは今後も変わらないだろうと思う。
歌詞はあいかわらず至純の域にある。
叙景的なフレーズは直截の文意をはぐらかし、さまざまな暗示を推量させる。伝わってくるのはひたむきな想い、その結果としての諦念や後悔。最終的には切実という語に帰着する。



 
特に銘記しておく曲
 M-1 “Circadian”
 M-2 “The Prize”
 M-3 “Fitzrovia”
 M-5 “The Diver”
 M-7 “The Foundry”




Information
 Birth name : Nick Talbot
 Origin : Bristol, UK

Links
 Official : http://gravenhurstmusic.com/
 Release info : http://warp.net/records/gravenhurst/the-ghost-in-daylight-out-now
 Blog : http://policediversnotebook.blogspot.jp/
 Wikipedia : http://en.wikipedia.org/wiki/Gravenhurst_(band)

ASIN:B007BWUGU4






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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell