ピアノ/ベース/ドラムという3人編成のジャズ・ユニット。
このリズム・セクションはひとつの極致にあると言っていいと思う。とりわけドラム。もう、連なる音のことごとくに対し、止むことなく聞き惚れてしまう。
一方でピアノも真髄。心の琴線をダイレクトに打鍵するかのごとくに抒情的。
3つのパートが完全に同格で、個々の主張をはっきり残しつつ、不可分で一体的な音響体験を供する。
ポピュラー・ミュージックのなかでもっとも先端を拓き続けているのはエレクトロニクス・ミュージックのエリアだと常々思ってるんだけど、このアルバムを聴くと、他のジャンルにだって先進性を持ったサウンドがないわけではない、ということを再認できる。*1
何をもって先進的と自分が感じてるのかというと、たぶん主にリズム形態についてだと思う。
さまざまに試行と伝播を続け複雑にリズムの様式を分化させてきたエレクトロニクス・ミュージックに対して、たとえば単にドラムンベースを生ドラムでそのまま再現してみた……というようなことはせず、あくまでもジャズ・ドラムの文脈に連なる独自性を保持しながら、クラブサウンドとは異なるアプローチでそれに匹敵する身体煽動性へ到達した、というような。
前作の曲だけど、例示として最適と思われる動画を貼っておく。生楽器アンサンブルって良いなー、ってひさしぶりに思った。
特に銘記しておく曲
M-1 “Murmuration”
M-2 “Garden Dog Barbecue” このアルバムでまず聴くべき曲。
M-3 “Kamaloka”
M-5 “One Percent”
M-8 “To Drown In You”
GoGo Penguin
Information
Current Location | : Manchester, UK |
Years active | : 2012 - |
Current members | |
Chris Illingworth | : Piano |
Nick Blacka | : Bass |
Rob Turner | : Drums |
Links
*1:
「そもそもポピュラー・ミュージックとは進歩し得るものなのか?」という古典的命題に対しては、そんなに劇的に進歩しているほどではないかもしれないけれど、仮に進歩というものがあるとするならば、それがもっとも顕著に見られるエリアはエレクトロニクス・ミュージックであろう……というぐらいの意味で考えている。