ギター/サックス/ベース/ドラムの4人によるグループなんだけど、この編成からはちょっと予想つかないサウンドを繰り出してくる。サックスなんて、クレジットはされてるけど曲だけ聴いてもどの音が該当するのかぜんぜんわからない。
極力楽器の持つ音階を無視し、発音させる際に生じるノイズ、ミュート音などから楽曲を制作。
執拗な反復から生まれるトランスと疲労、12音階を外したハーモニクス音からなるメロディのようなものは都会(クラブ)的であると同時に民族的。
goat official FB
メロディに牽引されるのではなく、ひたすらリズム要素だけで紡がれていく曲という感じ。
純粋にアナログな楽器構成で、プリミティヴな打楽器重奏のようでもあるんだけど、聴く印象としてはむしろテクノなど現代的なエレクトロニック・ミュージックの感覚に近い。
ミニマル。忘我・恍惚を強力に喚起するグルーヴ。
goat - “On Fire”
――goatは真逆ですよね。演奏に没入していて。だから、プレイ中はどんな気分なんだろう?と思うんです。
「どんどん内に入ってゆくというか……お客さんのことをどれだけ気にしないで曲に集中出来るか、という部分が大きいです。それ以外はなるべく考えない。 “曲を正しく演奏する”ことに徹してますね。けど、反復による高揚感はやっぱりあるんですよ」
CDJ PUS 日野浩志郎インタビュー
かなり極北感のある演奏光景で、何かの修行や儀式のように、あるいは、心的起伏を備えない機械の一群が作動しているようにも見える。演奏スタイルとしてはシューゲイザーよりもさらに隔絶的、完全な没入・没頭がおこなわれている感じがある。
彼らのライヴ演奏の動画を見るのはそれなりにおもしろくはあるんだけど、その光景自体は昂揚に直接結びつかないし、逆に音源だけ聴いてもこのような楽器演奏のヴィジュアルは思い浮かんではこない。つまり演奏の表象や表出が音そのものと切り離されている。ただダイレクトに志向誘発効果のみを発現する音楽というような。
そうした意味でも、やはりこれはエレクトロニック・ミュージックと同一の地平にある音楽だと思える。
全5曲、計37分。
M-1 “Rhythm & Sound”
M-2 “Solid Eye
M-3 “FP
M-4 “Ghosts Part 1
M-5 “On Fire
goat
Information
Current Location | : Osaka, JPN |
Years active | : 2013 - |
Current members | |
HINO, Koshiro a.k.a YPY | : Guitar |
ANDO, Akihiko | : Sax |
TAGAMI, Atsumi | : Bass |
NISHIKAWA, Tetsushi | : Drums |
Links
Official | : https://sites.google.com/site/bandgoat/top |
Label | : HEADZ http://www.faderbyheadz.com/ |
References
CDJournal CDJ PUSH インタビュー:少ない選択肢の中からアイディアを絞って――goat、2ndアルバム『Rhythm & Sound』 - http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/goat/1000001064 |