raster-noton からのリリース。グリッチやパルスによって形成されるタイプのエレクトロニカ。
ドローン/アンビエントな持続音も登場しないわけではないけれど、全体としては硬質で無機的な単音の連鎖が支配的要素を占める。言うなれば破砕されたビート、あるいは整序されたノイズといったところ。感情を揺さぶられたり身体駆動を誘発させられたりといった反応を伴わずに、ただ聴覚的快楽だけがもたらされる感じがある。単調に刻まれる律動と違い、モールス信号のごとく離散的に明滅して跳ね回る打音の数々。大脳を直接刺激し活性化させるインパルスのような。
このアルバムは 5作品からなるシリーズの第1作目で、今後、ヴァイナルEP 3枚とCDアルバム 1枚が予定されているとのこと。
アルバムタイトルはフランス語で、英訳すると “THE RESIDENCE; There is peril in the residence” となる。“La Demeure” は「住居」、“Il Y A Péril En La Demeure” は「住居内に差し迫った危険がある」。後段の語句は、個人住宅への法的強制侵入を許可する法律用語を意図している。(とオフィシャルテクストに書かれていた。http://www.raster-noton.net/detail/index/sArticle/737)
今回のこのアルバムでは「住居」がテーマとされていて、プライバシーとか親密性といった含意が込められているらしい。次のアルバムでは「差し迫った危険」の方に焦点が当てられるそうなので、もっと攻撃的なサウンドとなる気がする。
Grischa Lichtenberger
Information
Origin | : Bielefeld, Germany |
Current Location | : Berlin, Germany |
Born | : 1983 |
Links
Official | : http://grischa-lichtenberger.com |
Label | : raster-noton http://www.raster-noton.net/detail/index/sArticle/737r |