前作 “v2.0” が好評を博した*1ことをきっかけに BLUE NOTE と契約してリリースした 3rd アルバム。
音としては基本的に “v2.0” と同じ趣向。ピアノ/ベース/ドラムの完全にアコースティックなパート編成だけど、曲の構造にはエレクトロニックな影響が強く感じられる。実際、曲制作に際してはまずソフトウェア・シークェンサーで作曲をおこない、それを生楽器演奏に置き換えるというプロセスを経ているらしい*2。アルバムタイトルにもそうしたところが反映されている*3。
エレクトロニック・ミュージックの風合いを醸しているのは、展開の起伏が少なく一定のペースを持続して進む点にある。ビートが細かく手数が多いため、ミニマルな感触はない。ジャズやクラシックの系譜を示す要素は、落ち着いているけど明瞭に流れるピアノラインが担っている。演奏技量の高さで隙のないグルーヴを発現。
全体を通してクールでメロディアス、「都会的」という語彙が容易に結びつく。
特に銘記しておく曲
M-1 “All Res”
M-2 “Unspeakable World”
M-3 “Branches Break” 後半のベースライン。
M-4 “Weird Cat”
M-6 “Smarra” 細かいビート。
M-10 “Protest”
GoGo Penguin
Information
Current Location | : Manchester, UK |
Years active | : 2012 - |
Current members | |
Chris Illingworth | : Piano |
Nick Blacka | : Double Bass |
Rob Turner | : Drums |
Links
*1:
2014年マーキュリー・プライズのショートリスト12作品に選出
*2:
“Many of the songs on this album started out as electronic compositions that I made on sequencing software like Logic or Ableton,”
http://www.bluenote.com/news/gogo-penguin-to-release-blue-note-debut
*3:
“We’re recreating electronic music on acoustic instruments. It’s like a man-made object […] ”
http://www.bluenote.com/artists/gogo-penguin/man-made-object