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Emeka Ogboh “Beyond The Yellow Haze” (2021)



Beyond The Yellow Haze



 ベルリンを拠点とするナイジェリア出身のアーティスト。現代アートの分野で主に活動してきた人で、出身地であるナイジェリアのラゴスで採取した都市音響を用いたインスタレーションなどを制作してきた。ドクメンタやヴェネツィア・ビエンナーレへ出展したこともある。
 この “Beyond The Yellow Haze” は音楽アルバムという形態で発表されたもの。ベルリンの Ostgut Ton のサブレーベルとなる A-TON からリリースされた。

 全曲、フィールド・レコーディングで集められたラゴスの音を材料としている。これらはもともと 2018年の展覧会 “No Condition Is Permanent” で使われたもので、道路の騒音や雑踏の会話、売り子の呼び声らしきものなどで満ちている。
 ラゴスは「世界でも最も成長が激しい都市」としてRem Koolhaas の都市研究対象ともなったような場所。Emeka Ogboh はラゴスを、決して音が絶えない「眠らぬ都市」と呼んでおり、現在もうひとつの活動拠点としているベルリンは「あまりに静かで逆に夜寝られなかった」と語っている。TATESHOTS - Emeka Ogboh: 'Lagos is a city that is never silent'

 “Beyond The Yellow Haze” ではこうした音響素材がエレクトロニック・ミュージックの作法を伴って編み上げられている。フィールド・レコーディングによるサウンドは寝室の窓外でずっと続く都市の気配のようでもあり、ビートは都市自体が孕むひそかな、あるいは重い脈動といった感じがある。
 手つきが非常に繊細で、どのような機器で再生するのかによって体験も変わりそう。当然ながら、細部ができるだけ知覚されることがのぞましい。




Emeka Ogboh
Information
  OriginEnugu, Nigeria
  Current Location   Berlin, Germany
  Born1977
 
Links
  Officialhttp://emekaogboh.art/
  LabelA-TON  https://a-ton.bandcamp.com/album/beyond-the-yellow-haze-2

ASIN:B08PH84SBD







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