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 Swans “To Be Kind” (2014)



To Be Kind [帯解説・歌詞対訳 / 2CD + 1DVD / 国内盤] (TRCP158~160)






 今年前半、5月ぐらいに発売されたアルバム。
 絶品。
 前作 “The Seer” も高い評判があったらしく、併せて聴いてみたらこれも同じように良かった。……前作はどっかで試聴したことあったはずなんだけど、なんかそのときは結局スルーしてて。ちゃんと聴いてみたら、なんでこんなすばらしいアルバムを見落としてたんだろう、と思うクオリティ。
 でも今回この “To Be Kind” で再発見することができて、今までぜんぜん知らなかったけど良いグループにめぐりあえたなー、という気持ちでいっぱいだ。

 基本的にバンド・サウンドだけど、ミニマルなエレクトロニカアンビエント、インダストリアル・テクノなんかが好きな人にも強く訴求するはず。
 短くても5分、長いものは17分だったり34分だったり、だいたいの曲は7分〜10分程度。しかも2枚組で、全部で10曲・合計で約2時間という非常に長大なアルバム。
 さすがに集中して全曲通しで聴くのにはかなり気力がいる。一回全部聴いたあと今後はアンビエントっぽく流して聴く感じになっていきそう。
 曲調としては shellacっぽい感じもある。ただし Swans はメンバー数としては Shellac の倍以上。使われてる楽器の種類も多いし、ドラムなんかはツイン構成だったりして、音に厚みがある。
 どの曲もメズメリックで、ノイズやドローンを伴うグルーヴのトランス感が至高。でもミニマルなループがずっと続くというわけでもなくて、各曲それぞれ長い時間があるなかでダイナミックに展開の強弱がある。強力なリフのループがしばらく続く一連の単位を要素として、それらがいくつか連なってひとつの曲が構成されてる感じ。
 そういうつくりのアルバムだから、ネット上とかの30秒程度の試聴だとごく一部の断片しかわからず全体の良さに気付かなくて、それが以前見逃してしまってた原因だったのだと思う。

 諸々のレビューを見てると、「暗黒」という語が形容として用いられてることが多いようで、たしかにそうしたトーンではあるんだろうけど、自分の受けた印象としてはむしろ「力に満ちた」という感覚の方が大きかった。




特に銘記しておく曲
 [CD 1]
 M-1 “Screen Shot”
 M-3 “A Little God In My Hands”
 M-4 “Bring The Sun / Toussaint L'Ouverture”
 [CD 2]
 M-1 “She Loves Us”
 M-3 “Oxygen”
 M-4 “Nathalie Neal”





Swans

Information
Origin: New York, US
Years active: 1982 – 1997, 2010 –
Current members 
  Michael Gira: Vocals, Guitars
  Norman Westberg: Guitars, Vocals
  Phil Puleo: Drums, Percussion, Dulcimer, Piano, Keys, Vocals
  Christoph Hahn: Guitars, Vocals
  Thor Harris: Drums, Percussion, Vibes, Bells, Wind Instruments, Viola, Vocals
  Christopher Pravdica  : Bass, Guitar, Vocals

Links
Label 
  Young God Records (North America release)  http://younggodrecords.com/pages/swans
  Mute  http://mute.com/artists/swans

ASIN:B00JNHR162






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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell