::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

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.Electronica

 Chino Amobi “Paradiso” (2017)

都市というものがそのまま音楽化されたような作品。 インダストリアルなノイズ、不協和音。脈絡ないヴォイス。多様なサンプリング音。街なかにありそうな音を要素としたミュージック・コンクレート的な楽曲で、都市が持つ雑然性や混成状態といった様相が体現…

 Basic Rhythm “The Basics” (2017)

リズム/ビートの多彩なエチュードといった趣。 過剰に変容させられず原型的なまま提示されるパーカッシヴなサウンド。シンセやヴォーカル・サンプルも使われているけれどそれらは従属的。主体はさまざまな打音で、純粋にリズム・パターンを味わう音楽に特化し…

 Arca “Arca” (2017)

XL Recordings からのリリースとなる 3rd アルバム。 大きく話題になりそうなポイントは、本人のヴォーカルが全面的に用いられているところ。 これまで Björk や FKA twigs、Kanye West などの楽曲制作を手がけていることもあり、Arca のサウンドとヴォーカ…

 Lusine “Sensorimotor” (2017)

シアトルのプロデューサー。アナログ・シンセの他、フィールド・レコーディングや生楽器のサンプリングなどが用いられている。軽やかながらはっきりした重みで拍動する低音部が、微少に破砕し明滅する断片的な高音部と共にビートを形成する。ディテールが豊富…

 Turinn “18 1/2 Minute Gaps” (2017)

Modern Love からの新譜で、地元 Manchester のプロデューサー Alex Lewis による 1st アルバム。 フロア・ミュージックへの拘りは全体に共通するものの、曲ごとに方向性は異なっていて、ハウス/トランス/2-ステップ/ドリルンベース…といったさまざまなサウン…

 Kangding Ray “Hyper Opal Mantis” (2017)

ベルリンを拠点とする Kangding Ray の新譜。 これまでのアルバムはすべて Raster-Noton からだったが、今回はベルリンの Stroboscopic Artefacts からのリリースとなった。初期の音響/ノイズ系の作品と比べると “OR” 以後のテクノ寄りでビート志向の作品は…

 Jay Daniel “Broken Knowz” (2016)

デトロイトのプロデューサーによる1stフルアルバム。 簡素なサウンド構成でビート志向。 Anthoney Hart の Basic Rhythm に通じるものもあるけれど、Jay Daniel のこのアルバムでは全般的に生ドラムが用いられているところが大きな特徴。背景でかすかに響く…

 Throwing Snow “Embers” (2017)

ブリストルを拠点に活動する Ross Tones によるプロジェクトで、2年半振りとなる 2nd アルバム。 異なるフォームを切り替えながら同じトーンの世界を描いていくようなスタイルは 1st と同様だけど、前作で大きくフィーチャーされていたヴォーカルはなくなっ…

 Demdike Stare “Wonderland” (2016)

2012年の “Elemental” リリース後、実験的にクラブ・ミュージックへアプローチした12"EPの “Testpressing” シリーズを挟んで、4年振りとなるフルアルバム。アンビエント/ノイズ志向だった “Elemental” よりも、ビートを追求した “Testpressing” シリーズの延…

 Oval “Popp” (2016)

Oval こと Markus Popp による6年振りのアルバム。タイトルは本人の名から取られているわけだけど、“Pop” という一般概念の方も意識されているはず。実際、音そのものがポップであることはまちがいない。解放感、軽快、きらめき。昼の自然光か夜の人工光かは…

 Oren Ambarchi “Hubris” (2016)

ミニマル。Pt. 1からPt. 3まで全3曲のインストゥルメンタル。2分程度のPt. 2を間奏のように据え、約22分のPt. 1および16分強のPt. 3により構成。Jim O’Rourke、Ricardo Villalobos、Arto Lindsay など多数のミュージシャンとのコラボレーションで制作されて…

 Grischa Lichtenberger “spielraum / allgegenwart / strahlung” (2016)

5枚の作品によって構想されているシリーズ。2015年にリリースしたアルバム “LA DEMEURE; il y a péril en la demeure” を起点とし、3枚のEPを経た後、アルバムもう1枚によって完結することが計画されている。 今回、中間を成す3枚のEP “spielraum” “allgegen…

 Tyondai Braxton “Oranged Out E.P” (2016)

5曲入りのEP。10分を超えるような長い曲はなく、ダイナミズムは曲の展開というよりも音/ビートの実験的な構成に秘められている。 決して流麗には進まず、逆鉤のごとく引っかかるように絡みつくリズム。それでいてそこには身を委ねられる前進的な向性がある。…

 The Field “The Follower” (2016)

無地にタイトルとユニット名を記しただけの簡素なジャケット。これまでに出しているアルバムはすべて同じデザインで、ミニマル・テクノを追求する姿勢が端的に表れている。徹底したスタイル。どの曲もループで埋め尽くされている。各曲それぞれ10分程度の長さ…

 Andy Stott “Too Many Voices” (2016)

“Luxury Problems” 以降の Andy Stott を決定的に特徴付けたのが Alison Skidmore のヴォーカルであったことは疑いようもない。少年期のピアノ教師だった女性をヴォーカリストとして迎え入れたという経緯も Andy Stott の音楽が纏うロマンティクスに意外と貢…

 Tim Hecker “Love Streams” (2016)

4AD からのリリースとなる 8th アルバム。アンビエント/ノイズ/ドローン。 ヴォーカルを多用している点がこのアルバムの大きな特徴。ただし明瞭なヴォーカルラインはなく、ノイズの一部のようにアンビエンスに溶け込む淡い要素として用いられている。 本人に…

 Low Jack “Lighthouse Stories” (2016)

The Trilogy Tapes や L.I.E.S. といったレーベルからインダストリアル/ロウハウスの音源を出してきた Low Jack の3rdアルバム。前作 “Sewing Machine” は In Paradisum からのリリースだったが、この “Lighthouse Stories” では Modern Love が発表の場とな…

 Anna Meredith “Varmints” (2016)

クラシック音楽のコンポーザーとしてオーケストラへ楽曲提供したりしながら、並行してエレクトロニック・ミュージックでの活動もおこなってきたような人。2012年に “Black Prince Fury”、2013年に “Jet Black Raider” をEPとしてそれぞれリリース、フルアルバ…

 nonkeen “the gamble” (2016)

Nils Frahm が子供の頃からの友人 Frederic Gmeiner と Sebastian Singwald と組んだユニット。2007年からの8年間のレコーディングを経て 1st アルバムをリリースした。基本的にセッションの一発録りを4トラック・テープレコーダーによるオーバーダブで加工し…

 Vatican Shadow “Death Is Unity With God” (2014/2015)

Vatican Shadow は、Prurient 名義を筆頭とする Dominick Fernow の多様な活動形態のひとつ。Prurient 同様にダークでインダストリアルだけど、こちらはスクリーミング・ヴォーカルを伴わないインストで、もっと乾いた曲調。 この “Death Is Unity With God” …

 Arca “Mutant” (2015)

反響を強めた音像、ハイトーンでシャープなサウンド。たとえるなら宮殿の奥で燭光を湛える無窓の大広間。周囲を闇に閉ざされながらも、内部できらびやかに輝く空間。 楽曲から呼び起こされるイメージは、Arca 自身のキャラクターや作品のヴィジュアル戦略と…

 Oneohtrix Point Never “Garden of Delete” (2015)

同時代で押さえておくべき “あたらしい” 音楽はどれかと問われた場合、今ならさしあたり OPN / Oneohtrix Point Never を挙げておけばまちがいないはず。前作 “R Plus Seven” のときにも感じていたことだけど、最新作 “Garden of Delete” を聴いてその認識が…

 Kangding Ray “Cory Arcane” (2015)

5th アルバム。昨年の “Solens Arc” からあまり間隔を置かないリリースとなった。 曲調としては、前作と同様にインダストリアル。 ただし、前作ではアンビエントでビートレスのトラックを混ぜて静と動の変化がある構成だったのに対し、このアルバムはBPMの緩…

 Grischa Lichtenberger “LA DEMEURE; il y a péril en la demeure” (2015)

raster-noton からのリリース。グリッチやパルスによって形成されるタイプのエレクトロニカ。 ドローン/アンビエントな持続音も登場しないわけではないけれど、全体としては硬質で無機的な単音の連鎖が支配的要素を占める。言うなれば破砕されたビート、ある…

 にせんねんもんだい “#N/A” (2015)

ギター/ドラム/ベースの3人編成、インストのみで徹底的にミニマル。ストイックで人力テクノな系統。 goat がおこなっている試みにきわめて近い位置にいる。 もともとエレクトロニック・ミュージックとの親和性は高かったと思うけど、このアルバムでは Adrian …

 Demdike Stare “Testpressing #005, #006, #007” (2014, 2015)

Demdike Stare が継続的にリリースしてきた限定EPのシリーズ。2013年の “#001” に始まり、2015年の “#007” をもって全7枚14曲で完結した。 販促盤を装い “Testpressing” という名を付されたこのシリーズは、彼ら本来のスタイルを離れ比較的フロアを向いた作…

 Laurel Halo “In Situ” (2015)

音響〜エクスペリメンタル系のテクノ/エレクトロニカ。 低音域を効果的に使ったサウンドで、ダブテクノ/ベース・ミュージックと言ってもいいと思う。 細部の精妙なバランスがとても構築的。繊細だけど多様な音の切片が、それぞれ必要最小限の占位によって空間…

 Pole “Wald” (2015)

ダブ・テクノ〜グリッチ・エレクトロニカ。 Pole / Stefan Betke はベルリンを拠点とするプロデューサーで、2010年まで稼動したレーベル ˜scape のオーナー、その後は自身と同名のレーベル POLE を主宰。マスタリング・エンジニアとしても活動してきた。 近年は…

 Barbara Morgenstern “Doppelstern” (2015)

わりと経歴が長く、質の高いエレクトロ・ポップを安定してリリースしているドイツのミュージシャン。 “二重星” と名付けられたこの作品は、前作 “Sweet Silence” から3年振りとなる 7th アルバム。Hauschka や Lucrecia Dalt の他、Monika のオーナー Gudrun …

Four Tet “Morning/Evening” (2015)

8th アルバム。 “Morning Side” と “Evening Side” と名付けられたふたつの曲だけで構成される。 どちらも約20分程度ある長い曲。 M-1 “Morning Side” 同じモチーフのヴォイス・サンプルが曲を通して流れ続けていることが大きな特徴。 延々とループする曲とい…






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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell