::: BUT IT'S A TRICK, SEE? YOU ONLY THINK IT'S GOT YOU. LOOK, NOW I FIT HERE AND YOU AREN'T CARRYING THE LOOP.

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音楽

 Galcher Lustwerk “200% Galcher” (2018)

ディープでジャジーなヒップ・ハウス。 場の雰囲気をこの上なく醸出しているタイプのアルバム。再現されているのは、薄暗いクラブやライブハウスに込められた気怠げでスモーキーな空気感。 サックスやキーボード、シンセやドラムマシーン。それらのどれかひと…

 Alva Noto “Unieqav” (2018)

2008年の “Unitxt”、2011年の “Univrs” と続いた “UNI-” シリーズの幕を引くアルバム。 このシリーズは、ビートが強いフロア向けのサウンドを追求したもの。Alva Noto / Carsten Nicolai の音源のなかではもっともアプローチしやすい。聴きやすいサウンドだ…

 Jon Hopkins “Singularity” (2018)

ビートに伴うノイズの力というものを示したのが、前のアルバム “Immunity” の大きな功績だった。5年ぶりにリリースされたこのアルバム “Singularity” も同じ延長上にある。 パルス、破砕音、グリッチといったノイズ要素は、それ自体が主役の位置にあるわけで…

 Simian Mobile Disco “Murmurations” (2018)

James Ford と Jas Shaw によるユニットの5th アルバム。テック・ハウス/エレクトロ・ハウス。 このアルバムは、ロンドンのヴォーカル・コレクティヴ The Deep Throat Choir の女声コーラスをフィーチャーしているのが特徴。ヴォーカルとシンセが崇高を醸し出す…

 August Greene “August Greene” (2018)

ラッパーのコモン、ピアニストのロバート・グラスパー、ドラマーのカリーム・リギンスが結成したコレクティヴによる Amazon 限定リリースのアルバム。 この形態での活動は、2016年にオバマ政権時のホワイトハウスで開かれたイベントでのセッションから始まって…

 DJ Nigga Fox “Crânio” (2018)

アンゴラ出身。内戦に伴いポルトガルに移住し、現在はリスボンに住む。リスボンで活気付くアフリカ系ダンス・ミュージックの旗手のひとりと目され、Warp と契約し EP リリースに至った。もともとリスボンのレーベル “Príncipe” に所属。このレーベルはクドゥ…

 East Man “Red, White & Zero” (2018)

Imaginary Forces と Basic Rhythm という異なるスタイルの活動をおこなってきた Anthony J. Hart が開始する別名義のプロジェクト。活動の起点はむしろ Basic Rhythm より前にあるようだが、アルバムとして音源をリリースするのはこれが初めてとなる。 それ…

 raster-noton. source book 1

Raster-Noton Source Book 1アーティスト:Various Artists発売日: 2017/03/24メディア: CD 「コンセプトブック」というものに興味を持っている。 以前、建築デザイン界で分厚い本が流行したときがあって、OMA の “SMLXL” を筆頭に、MVRDV の “FARMAX”、UNStu…

 Claro Intelecto “Exhilarator” (2017)

マンチェスターのプロデューサー。主にダブ・テクノを追求し、Modern Love の勃興に寄与したひとりに数えられる。 このアルバムはオランダの Delsin からのリリースで、わりと幅の広い趣向の13曲から成っている。清涼、重厚、暗鬱、硬質、情感、爽快 etc。リ…

 Emptyset “Skin” (2017)

〈ミニマリズム〉というものを何らかの秩序を追求する試みなのだと捉えるなら、字義からして、秩序の対極にある〈ノイズ〉とは相容れないように思える。けれども実際は、ノイズとミニマル・ミュージックの相性は良い。ミニマル・ミュージックを成り立たせるの…

 Harmonious Thelonious “Apakapa” (2017)

デュッセルドルフのプロデューサー Stefan Schwander による名義のひとつで、ミニマル・テクノにアフリカン・リズムを組み合わせるようなことを試みているプロジェクト。オフィシャルサイトには “american minimalists vs. african drumming vs. european sequ…

 Four Tet “New Energy” (2017)

Four Tet のキャリアも既に20年近くに及ぼうとしているけれど、10年ほど前の “Ringer” と “There Is Love in You” によってスタイル上の大きな転機が刻まれたことには共通認識が持たれていると思う。かつての写実的で情感のあるサウンドから、はっきりとフロ…

NKC “Tincture” (2017)

南ロンドンの新興レーベル Her Records からのリリース。 抒情性を払底したリズム志向のサウンド。乾いた感触はグライムに通じるし、三連符ビートという点ではフットワークも想起させる。 ただしNKCのこのEPには、定型に甘んじることのないリズムの追求とい…

 Nídia “Nídia É Má, Nídia É Fudida” (2017)

シーンというものが多様化・細分化し、全体を包括的に言い表すことが難しくなってきていると常々感じる。 それでもあえて現在の音楽シーンを特徴付けるキーワードを抽出しようとした場合、まず思い浮かんでくるのは「混成」「移住」「越境」といった言葉。こうした…

 SW. “The Album” (2016/2017)

ベルリンのハウス・レーベル SUED から昨年出た2枚組12"を、デジタル音源で Apollo から再リリースしたもの。 SUED の特徴は、アナログ音源を専門としているということの他に、アーティストや音源が匿名的という点にある。アルバムもトラックも固有名が付けら…

 Porter Ricks “Anguilla Electrica” (2017)

音楽のつくり方を大別したときに、音を組み立ててつくっていく方法と、既にある音を加工してつくっていく方法という二種類があるとして、ダブは後者の側に属している。 サンプリングやブレイクビーツもやはり新規の音より既存の音へ依存しているけれど、流用…

 Jlin “Black Origami” (2017)

メロディをほとんど伴わず純粋にリズム要素だけで構成されるサウンド。 ビートは民族音楽の打楽器を彷彿としつつも、その感触と精確性はきわめてエレクトロニック。低音部はダビーに増幅されて反響し、高音部は軽やかに跳ね回り、さまざまなビートが空間を満…

 Chino Amobi “Paradiso” (2017)

都市というものがそのまま音楽化されたような作品。 インダストリアルなノイズ、不協和音。脈絡ないヴォイス。多様なサンプリング音。街なかにありそうな音を要素としたミュージック・コンクレート的な楽曲で、都市が持つ雑然性や混成状態といった様相が体現…

 Basic Rhythm “The Basics” (2017)

リズム/ビートの多彩なエチュードといった趣。 過剰に変容させられず原型的なまま提示されるパーカッシヴなサウンド。シンセやヴォーカル・サンプルも使われているけれどそれらは従属的。主体はさまざまな打音で、純粋にリズム・パターンを味わう音楽に特化し…

 Kendrick Lamar “DAMN.” (2017)

ジャンルの好みがどうあれ現在の同時代的音楽を語るに際し避けて通れないものを挙げるなら、そこに必ず入ってくるはずの一人。 では何が Kendrick Lamar をそうした中に含めるのかというと、やはり詞が語る内容、ライフヒストリーが持つ引力が大きな要因と言…

 Arca “Arca” (2017)

XL Recordings からのリリースとなる 3rd アルバム。 大きく話題になりそうなポイントは、本人のヴォーカルが全面的に用いられているところ。 これまで Björk や FKA twigs、Kanye West などの楽曲制作を手がけていることもあり、Arca のサウンドとヴォーカ…

 Lusine “Sensorimotor” (2017)

シアトルのプロデューサー。アナログ・シンセの他、フィールド・レコーディングや生楽器のサンプリングなどが用いられている。軽やかながらはっきりした重みで拍動する低音部が、微少に破砕し明滅する断片的な高音部と共にビートを形成する。ディテールが豊富…

 Turinn “18 1/2 Minute Gaps” (2017)

Modern Love からの新譜で、地元 Manchester のプロデューサー Alex Lewis による 1st アルバム。 フロア・ミュージックへの拘りは全体に共通するものの、曲ごとに方向性は異なっていて、ハウス/トランス/2-ステップ/ドリルンベース…といったさまざまなサウン…

 Kangding Ray “Hyper Opal Mantis” (2017)

ベルリンを拠点とする Kangding Ray の新譜。 これまでのアルバムはすべて Raster-Noton からだったが、今回はベルリンの Stroboscopic Artefacts からのリリースとなった。初期の音響/ノイズ系の作品と比べると “OR” 以後のテクノ寄りでビート志向の作品は…

 Jay Daniel “Broken Knowz” (2016)

デトロイトのプロデューサーによる1stフルアルバム。 簡素なサウンド構成でビート志向。 Anthoney Hart の Basic Rhythm に通じるものもあるけれど、Jay Daniel のこのアルバムでは全般的に生ドラムが用いられているところが大きな特徴。背景でかすかに響く…

 Throwing Snow “Embers” (2017)

ブリストルを拠点に活動する Ross Tones によるプロジェクトで、2年半振りとなる 2nd アルバム。 異なるフォームを切り替えながら同じトーンの世界を描いていくようなスタイルは 1st と同様だけど、前作で大きくフィーチャーされていたヴォーカルはなくなっ…

 Demdike Stare “Wonderland” (2016)

2012年の “Elemental” リリース後、実験的にクラブ・ミュージックへアプローチした12"EPの “Testpressing” シリーズを挟んで、4年振りとなるフルアルバム。アンビエント/ノイズ志向だった “Elemental” よりも、ビートを追求した “Testpressing” シリーズの延…

 Common “Black America Again” (2016)

ブラック・アメリカン射殺事件の連続と2016年アメリカ大統領選の結果。 投開票4日前にリリースされたコモンの新譜について、アメリカでの諸々のレビューは基本的にこのふたつの事柄を不可欠な文脈・背景として書いている。 ふたつは互いに関連し合うトピック。…

 Oval “Popp” (2016)

Oval こと Markus Popp による6年振りのアルバム。タイトルは本人の名から取られているわけだけど、“Pop” という一般概念の方も意識されているはず。実際、音そのものがポップであることはまちがいない。解放感、軽快、きらめき。昼の自然光か夜の人工光かは…

 Oren Ambarchi “Hubris” (2016)

ミニマル。Pt. 1からPt. 3まで全3曲のインストゥルメンタル。2分程度のPt. 2を間奏のように据え、約22分のPt. 1および16分強のPt. 3により構成。Jim O’Rourke、Ricardo Villalobos、Arto Lindsay など多数のミュージシャンとのコラボレーションで制作されて…






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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもうループを背負ってない”
―Angela Mitchell